診療科のご案内

薬剤部

新人教育体制

薬剤部では、薬剤師としての基礎や業務を着実に身につけられるカリキュラムを整えています。処方せんの流れ、調剤(内服・注射)の方法、鑑査方法、さらには窓口業務や電話対応、電子カルテの使い方等、業務内容を網羅したチェックリストを用いて指導内容を薬剤部全体で共有し、全員で新人を育成する体制作りをしています。まずは、新人の10月から日当直業務をこなせることが目標です。次に、大学病院薬剤師として基本的なスキル、調剤業務から病棟での服薬指導業務まで1年間で幅広く網羅できるカリキュラムを構築しています。

<新人教育研修スケジュールの例>

国際医療福祉大学病院で研鑽できる講義研修

担当職種 領域 担当者の専門性
薬剤師 癌関連 外来がん化学療法認定薬剤師
NST関連 NST療養士
感染・TDM 抗菌化学療法認定薬剤師
糖尿関連 糖尿病療養士
病棟業務 認定実務実習指導薬剤師
医療安全 リスクマネージャー
医薬品購入 薬品管理担当薬剤師
(特にワクチン管理について、肝疾患コーディネーター)
麻薬関連 麻薬管理者
医師等他職種 小児科 小児科医
皮膚科 皮膚科医
耳鼻科 耳鼻科医
化学療法 腫瘍内科専門医
看護 看護部長
医療安全 医療安全担当看護師
(ゼネラルリスクマネージャー)
感染対策 感染対策専門看護師

卒後者に対する教育

国際医療福祉大学病院は、以下の施設認定を受けています。

1. 日本医療薬学会がん専門薬剤師認定制度 がん専門薬剤師研修施設
当院での5年間の研鑽でがん専門薬剤師認定への受験条件である研修が受けられます。さらに、がん指導薬剤師が在籍していますので、症例への指導のみならず、学術雑誌にがん領域に関する学術論文の執筆や、その学会発表のサポートも受けられます。専門薬剤師のみならず、指導薬剤師へのチャレンジも支援しています。

2. 日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師認定制度 薬物療法専門薬剤師研修施設
当院での5年間の研鑽でがん専門薬剤師認定への受験条件である研修が受けられます。

3. 日本医療薬学会認定薬剤師制度 研修施設
当院での1年間の研鑽で認定薬剤師への受験条件である研修が受けられます。さらに、認定薬剤師になるには、医療薬学に関する全国学会での発表が2回以上、医療薬学に関する学術論文が2報以上必要であり、これらの指導も行っております。

4. 日本緩和医療薬学会 緩和医療専門薬剤師研修施設
緩和医療専門薬剤師研修施設である当院において、薬物療法と緩和ケア等に関する5年間以上の研修により、日本緩和医療薬学会の認定する緩和医療専門薬剤師の受験資格が得られます。
その他、毎週の緩和ケアチームラウンド、カンファレンスへの参加により、緩和ケアに対する専門的な知識、技能、態度の研鑽が受けられます。

5. 栄養サポートチーム(NST)専門療法士認定教育施設
当院での研鑽でNST専門療法士への受験資格である研修が受けられます。
また、 NST専門療法士による症例への指導などのサポートも受けられます

6. 日本医療薬学会 地域薬学ケア専門薬剤師研修施設(基幹施設)
「地域薬学ケア専門薬剤師」とは、幅広い領域の薬物療法に関する高度な知識と技能を用い、地域包括ケアなどの地域医療・介護等を担う他職種と協働し薬物療法を実践する専門薬剤師です。
認定には、研修施設での5年以上の研修歴が必要です。
2022年1月より当院は基幹研修施設に認定されます。
栃木県では3施設目、県北地域では、2022年現在唯一の研修施設となり、地域の保険薬局の薬剤師の研修を受け入れてゆきます。

当院へ就職をお考えの薬剤師・学生さんへ

働きながら学ぶ~国際医療福祉大学薬学部大学院への進学支援~

当院ではキャリア支援の一つとして、薬剤部で仕事をしながら大学院に通学できる環境を整えています。
仕事と両立しながら大学院を卒業することができます。
「働きながら大学院で学びたい」 こうした医療・福祉専門職の方々のニーズに応えるため、国際医療福祉大学の大学院は、栃木県・千葉県・東京都・神奈川県・静岡県・福岡県に7つのキャンパスを開設、これら拠点を同時双方向の遠隔ICTシステムで結び、居ながらにして、同時に同じ授業が受けられます。(遠隔授業のみではなく、直接教員から学ぶ機会もあります。)また多くの授業は、平日の夕方以降と土曜日の昼間に行うなど、社会人が学びやすい環境を整備しています。国際医療大学病院勤務の薬剤師も、働きながら、栃木県の大田原キャンパスで学んでいます。
また、国際医療福祉大学グループの職員が国際医療福祉大学の大学院に進学する場合には入学金免除制度や奨学金制度が設けられているため、経済的な負担も軽減されます。
さらに、本学大学院修士課程修了後より、「修士手当」として月額10,000円が支給され、その後、同博士課程修了後すると「修士手当」に代えて、「博士手当」として月額20,000円支給がされます。

社会人大学院 履修者の声

国際医療福祉大学大学院 薬学研究科 博士課程 野村 彩衣

私は学生時代の就職説明会で、国際医療福祉大学大学院の存在を知りました。もともと社会人大学院生を希望しており、まずは病院薬剤師としてのスキルを身につけるため、地元の国際医療福祉大学熱海病院にて薬剤師として3年間勤務いたしました。現在は国際医療福祉大学病院クリニックに勤務しながら大学院に通学しております。大学院では動物を用いた基礎研究を行っており、脳梗塞モデルマウスを作製して記憶障害、意欲低下などのうつ症状が現れるかどうか、行動評価や生化学的検討を実施しております。社会人大学院生の身で基礎研究を行うことはハードではありますが、1分1秒がとても貴重に感じられるようになりました。また、社会人大学院生が働きやすく、学びやすい環境を整えてくださった上司や先輩の皆様に、心より感謝しております。
今後は薬剤師と研究者という2つの立場から、更なる医療の発展に貢献していきたいです。

国際医療福祉大学大学院 薬科学研究科 修士課程 風岡 真実

私は、病院薬剤師として、10年以上、臨床現場で様々な業務を行ってきました。
その中で、疑問に思ったことを、もっと詳しく研究してみたいと思うことがあっても、忙しいことを理由に行動を起こしてきませんでした。なぜ行動に起こせなかったか…。
それは、私自身、臨床の現場は知っていても、その臨床の疑問を研究へ発展させ、さらに現場で実用化できるようにするまでの力と経験が圧倒的に不足していたからです。
そこで、働きながら大学院進学ができる職場はないか?と探したところ、国際医療福祉大学病院の社会人大学院入学制度の存在を知りました。
見学にきて、改めて驚かされたのは、佐藤淳也薬剤部長をはじめ、今年大学院の博士号を取得された橋本竜先生の研究に対する考え方や熱意、そして働きながらも大学院にいくことを全力で後押ししてくださる姿勢でした。
今までの環境も、決して悪いものではありませんでしたが、社会人大学院生を後押ししてくれる職場は数少ないと感じております。そのため、心機一転、勤めていた職場を退職し、国際医療福祉大学病院で働きながら、大学院に通うことを決意し入職しました。
この歳で、慣れ親しんだ環境を離れることは、多少の不安もありましたが、それよりも、これまで自分が足りなかった部分を研鑽していける環境、勉学だけでなく臨床から離れることもなく夢をかなえられる環境はとても魅力的でした。
今は、いくつになってもチャレンジする精神があれば、道は開けるのだということを実感しつつ、充実した毎日を送らせていただいています。

国際医療福祉大学大学院 薬学研究科 博士課程 吉田 雄貴

5年次の学外実務実習を経験して、病院薬剤師になるだけで患者さん、職場や社会に貢献できるのかと感じることもありました。自分の薬剤師像の一つに「ガイドラインの先読みが出来る薬剤師」という目標があり、その目標に近づいていけるのは、大学院進学ではないかと感じました。大学院進学することで、人間的にも成長をすることができると思います。自分に足りないものを修得し、研究の基礎から学ぶ、その環境が整っていると感じました。加えて、医療現場での経験と同時に研究を進めていくことで、新しい見方や考え方が生まれるのではないか、という考えになりました。
国際医療福祉大学大学院では、薬剤師業務後に受講できるカリキュラムとなっており、24時間利用できる図書館など施設も充実しています。先生・先輩方の手厚いサポートもあり進捗相談なども快く受け入れて頂いています。
今後は、大学院で培う事をそれだけで終わらせず、臨床現場に結びつけ医療の発展に貢献していきたいです。

国際医療福祉大学大学院 医学研究科 博士課程 永岡 大輝

私は、病院薬剤師として臨床の経験を1年間積みました。その中で、臨床的に生じた疑問点を自ら解決する能力が必要であると実感し、大学院進学を決意しました。病院薬剤師として業務を行いながら、大学院の研究を行っていくことで臨床と研究の能力を高めていきたいと考えております。薬剤部内には研究に対して積極的な部員が多く、刺激を受けながら研究を行っていくことができます。様々な分野の研究をしている部員がいるので、違った視点からのアドバイスを受けることもでき、先生、先輩方からのご指導を受けながら広い視野で臨床研究を行っていくことができます。

私は業務の中で感染制御に関わっており、その分野の研究を行っていきたいと考えております。現在薬剤耐性の対策が重要視されております。薬剤師として抗菌薬の適正使用を促し、薬剤耐性の対策に臨床と研究両方の面から貢献していきたいです。

社会人大学院 卒業者の声

国際医療福祉大学大学院 薬学研究科 博士課程 橋本 竜

国際医療福祉大学大学院博士課程を修了し、博士(薬学)を取得しました。働きながらの大学院生生活は大変でしたが、毎日がとても充実しました。
指導教員の先生方が親身に研究相談に乗っていただき本当に感謝しています。また、職場の皆様や家族のサポートもあっての今があると実感しております。今後、博士課程で培った知識と経験を活かして、臨床・研究・教育に精通する薬剤師になるとともに、学会発表や論文の執筆等を行い医療の発展に貢献していきたいです。

国際医療福祉大学大学院薬学研究科 博士課程 大矢 智則

国際医療福祉大学大学院博士課程を満期終了後、研究生となり博士(薬学)を取得しました。学位取得までの道程は平坦ではありませんでしたが、親身にご指導いただいた先生方のおかげで、臨床研究の“いろは”を学ぶことができました。当院の医師の先生方にも研究に協力してもらい、貴重なアドバイスをいただくことができました。今後は、身に付けたものを業務や後輩の指導に生かし、薬剤部のさらなる発展に貢献していきたいです。

国際医療福祉大学大学院薬科学研究科 修士課程 風岡 真実

私は、薬学教育が4年生の時代に薬剤師になった為、修士の学位にずっと憧れがありました。大学卒業当時、そのまま修士に進むこともできたとは思いますが、奨学金を返済しなくてはならなかったため、学業をあきらめ就職の道を選びました。その後も、社会人大学院生になることは考えていましたが、働きながら進学を支援してくれる職場は、なかなかないものです。薬剤師としてある程度業務を習得し、これからの自分の薬剤師人生を考えたとき、ここが分岐点なのではないかと思い、慣れ親しんだ職場を変え、この病院に就職しました。
この病院に就職したことがきっかけで、憧れていた社会人大学院生になり、職場の皆の尽力、理解も得ることができ、無事、修士を習得することができました。
働きながらの学生生活は、想像していた以上に困難な道でしたが、振り返ってみると、チャレンジしてみてよかったと思います。これからは、博士課程に進むことを視野にいれながら、私と同じように、大学院に行きたいと希望している薬剤師のために、微力ですが、貢献できたらと考えています。


大学院ホームページ

子育てや介護をしながらも薬剤師でありたい~薬剤師の支援体制~

国際医療福祉大学病院では、お子さんの育児やご家族の介護が必要な薬剤師が安心して働ける体制を構築しています。

出産休暇
産前8週間(多胎妊娠は14週間)及び産後8週間の休暇が認められています。

育児休暇
男性・女性問わず、お子様が最長で2歳に達するまでの間育児のために休業することが認められています。この間は無給となりますが、一定期間は雇用保険から育児休業給付金が支給されます。

認定こども園「西那須野キッズハウス」
病院に隣接して国際医療福祉大学が認定こども園「西那須野キッズハウス」を設置しています。休日保育や病児保育も行っていますので、安心して勤務に専念できます。

育児短時間勤務制度
男性・女性問わず、お子さんが3歳の年度末に達するまでの間育児のために午前9時から午後4時(休憩60分)の短時間勤務をすることができます。

育児・看護のための時間単位の年次有給休暇取得
男性・女性問わず、小学校3年生までのお子さんがいる場合には2時間単位での年次有給休暇を年5日の範囲内で取得することができます。(1日の所定労働時間が4時間以上の職員、小学校3年生の年度末までの期間)

介護休暇
一定の範囲内での家族で介護が必要な場合には6か月を限度として介護休暇の取得ができます。

臨床教員制度

国際医療福祉大学では博士号・修士号取得者など一定の要件を満たす薬剤師を臨床教員として発令しています。
臨床教員には、臨床の業務を担当しながら、薬学部の教員として学生の臨床実務実習教育に携わって頂きます。
また、臨床教員としての発令により、科研費などの公的研究費の申請要件を満たしますので、臨床研究を行うこともできます。薬学部の教員と供に研究を推進することも可能です。
これらにより、一般の薬剤師としての臨床活動に加え、充実した教育・研究活動を行うことができます。
当院でも薬剤師として第一線の業務をこなしながら、臨床教員として教育および研究に取り組んでいる職員がいます。

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