整形外科
ご挨拶
整形外科は運動器の疾患を扱う診療科です。運動器とは、身体運動に関わる体の部位、すなわち骨、筋肉、関節、神経などの総称です。 運動器はそれぞれが連携して働き、どれかひとつが障害されても身体はうまく動きません。 場合によっては、複数の運動器が同時に障害を受けることさえあります。放置すれば日常生活動作が制限され、それらが原因で日常生活動作が制限され、その状態を放置すると生活習慣病の悪化が起こる、もしくは体力が低下することもあります。具体的には、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの神経障害、変形性膝関節症に代表される関節の変形性変化を伴う加齢性疾患、骨粗鬆症やそれが原因で起こる骨折、外傷による骨折、打撲、捻挫など、その他に関節リウマチ、骨や筋肉などの腫瘍、運動器の先天異常など、幅広い疾患を扱います。整形外科ではこれらの疾患に対し、診察とレントゲンやMRIなど画像診断などの検査所見から診断を下し、症状を和らげるための適切な治療を行っていきます。
当科の基本方針
1. 安全・安心で最良な低侵襲治療の提供
同世代や同じ性別の方でも病気や手術などの体に侵襲があった場合、その侵襲から回復する体の状態は個人差があることが最新の研究で明らかになっています。当科では脊椎疾患と外傷を中心に可能な限り体に優しくかつ安全な外科治療を提供することを目指します。特に脊椎疾患に対して外科治療を行う場合は内視鏡手術などの低侵襲手術を行っています。治療方針を決定する際にはそれぞれの病状に応じた、安心・安全で最良の医療を提供するように心がけます。
2. 確かな技術の裏付けされた脊椎内視鏡手術の取り組み
我々は脊椎疾患に対しては脊椎専門医として多くの手術を行ってきました。今まで幅広い手術を行い、確かな技術を身に着けておりますと自負しています。当院で手術治療を受けられる患者様に対してできるだけ満足していただけることを目指して治療に取り組みます。当施設の特徴は脊椎内視鏡の導入です。今まで近隣になかった手術手技ですが、遠方に行かずとも必要があれば手術を受けることができるようになりました。
3. 治療方針決定プロセスの共有
患者様ごとに背景や治療に対する要望は異なります。私たちは外来・入院診療においてそれぞれの患者様の要望を十分に組み入れて、患者様やご家族と一緒に治療方針の意思決定を行ってまいります。十分に治療方針に納得していただき、積極的に治療に取り組んでいただくことが最善と考えております。
4. 各自がやりがいのあるチーム医療の実践
当センターでは4名の脊椎脊髄病指導医と1名の脊椎脊髄病専門医が治療の責任を担っています。急速に変化する現在の社会および医療において、国際感覚を兼ね備えた次世代を牽引する若い人材を育成します。病院を取り巻く環境は日々変化しており、医療従事者の負担は増大傾向にあると考えられます。一方で、近年は働き方の多様性が提唱されています。当センターではセンター従事者が働きがいと誇りを持ち、心と体の健康を維持できる職場作りを行うことで、最善最良の医療を提供します。
診療内容
整形外科では脊椎疾患、膝や股関節の変形性疾患、骨折などの外傷を主に治療します。特に脊椎分野では高い水準で様々な疾患に対応できるような体制をとっております。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に対しては内視鏡手術を積極的に取り入れ低侵襲な手術で体への負担を減らす治療を行うように努めております。そのほかに思春期に多い側弯症や腰曲がりなどの成人脊柱変形の専門的な治療も行います。手術の際には神経モニタリングや必要に応じてナビゲーションシステムを使用し高いレベルでの安全対策を行います。また、高齢者に多いのが骨粗鬆症に伴う骨折や関節の変形です。これらの疾患に対しても当科で対応しております。下肢疾患や上肢疾患に対しても当院で専門的な治療を行っております。必要な場合には系列の国際医療福祉大学塩谷病院も連携を取り治療に当たってまいります。更に保存療法などで当面は経過観察を行っていく場合は、必要に応じ地域連携を行い地域の先生方と一体となって治療に当たる方針で治療の連携を行います。手術後に長期のリハビリが必要な場合は専門のスタッフによりリハビリ病院への転院等の手続きなどサポートさせて頂きます。
脊椎疾患については、脊椎脊髄外科を専門とする江幡重人医師と磯貝宜広医師が治療を行っております。具体的には、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患に対して内視鏡を用いた低侵襲手術に積極的に取り組んでいます。高齢者が多い骨粗鬆症性椎体骨折(いわゆる圧迫骨折)に対する低侵襲手術にも取り組んでいます。その一方で、側弯症や後弯症といった脊柱変形に対する矯正固定術、腰部脊柱管狭窄症や腰椎変性側弯症に対する側方椎体間固定術(LLIF)、関節リウマチや頚椎変形に対する頚椎後方固定術、頭蓋-頚椎再建術などの高度な手術を行う一方で、頚部脊髄症(頚椎後縦靭帯骨化症、頚椎症性脊髄症、頚椎椎間板ヘルニア)、脊髄腫瘍などの一般的な脊椎疾患に対する低侵襲手術にも取り組んでいます。いずれの疾患・外傷においても、専門性の高い最新治療を行っております。また、内科的な併存疾患を有する患者様には各診療科と協力して診療にあたっております。対応する疾患・外傷は以下のように多岐にわたっております。
下肢疾患については須田康文医師を中心に行っており外反母趾などの足の外科の治療に取り組んでおります。手や肘などの上肢の疾患については佐竹美彦医師と重松辰祐医師を中心に行っております。また急性期病院として救急医療にも積極的に取り組み、多くの骨折手術を行っております。
脊椎疾患について
当科では脊椎専門医により様々な脊椎疾患に外科的治療を行っております。以下の代表的な疾患の概要と手術方法を説明します。
- 側弯症
- 成人脊柱変形
- 頚部脊髄症
- 骨粗鬆症性椎体骨折
以下は、内視鏡脊椎手術センターのページを参照してください。
当科での手術方法について
- 椎弓根スクリューを用いた側弯症手術
- 成人脊柱変形に対する変形矯正手術
- 頚椎前方固定術、頚椎椎弓形成術
- 骨粗鬆症性椎体骨折の再建手術
- 側方椎体間固定術(LLIF)
- 1.側弯症手術
- 2.成人脊柱変形に対する変形矯正手術
- 3.頚椎手術(頚椎前方固定術、頚椎椎弓形成術、頚椎インストルメント手術)
- 4.骨粗鬆症性椎体骨折の再建手術
- 5.側方椎体間固定術(LLIF)
- 6.低侵襲後方椎体間固定術(MIS-PLIF)
以下は、内視鏡脊椎手術センターのページを参照してください。
外来、入院統計
2023年度 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
外来述べ 患者数 |
1,151 | 1,183 | 1,287 | 1,143 | 1,257 | 1,194 | 1,199 | 1,083 | 1,162 | 1,088 | 1,046 | 1,135 | 13,928 | 1,160.7 |
入院延べ 患者数 |
869 | 621 | 702 | 672 | 739 | 626 | 585 | 667 | 792 | 811 | 713 | 661 | 8,458 | 704.8 |
手術実績
診療科 | 術式 | 2017年度 |
---|---|---|
整形外科 | 骨折手術(上肢) | 42 |
骨折手術(下肢) | 88 | |
脊椎手術 | 37 | |
脊椎手術(内視鏡) | 11 | |
人工膝関節 | 16 | |
人工股関節 | 20 | |
人工骨頭挿入術 | 19 | |
手根管開放術 | 9 | |
感染手術 | 3 | |
計 | 245 |
外来医師担当表
曜日 | 午前<予約制> | 午後 |
---|---|---|
月 | (第1.3.5週) 江幡 重人 | ― |
火 | 磯貝 宜広 伊藤 克義 |
― |
水 | 嘉山 智大 | ― |
木 | 須田 康文 | ― |
金 | 江幡 重人 伊藤 克義 重松 辰祐 |
― |
土 |
(第2・4週) 【側弯症専門外来】 磯貝 宜広 |
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