診療科のご案内

呼吸器外科

ご挨拶

肺、気管・気管支、縦隔、胸壁疾患を対象とした診断と治療を行っています。 手術治療が中心ではありますが、病態に応じて手術以外の治療法も選択して行っています。個々の患者様の病状と体調を充分に配慮、検討して、説明と同意に基づき診断・治療法を選択することを診療の根幹としています。

主体となる肺がん診療においては、呼吸器内科と協力し呼吸器センターとして、根治をめざす外科治療、ハイリスク例に対する放射線治療、進行・再発例に対する化学療法・分子標的薬治療、症状緩和のための支持療法を行っています。

治療に加え、予防、早期発見も重要であり、治療禁煙外来でのニコチン依存症治療と煙害の啓発活動による治療、健康診断・人間ドックでの胸部X線写真、低線量CTによる早期発見に関わっています。肺がん診療に総合的に関わることが大切と考えています。

昨今、多くの患者様を悩ます肺がん診療においては、治療前から治療後の生活までを視野に入れた対応が大切であり、さまざまな角度から患者様の立場に立った診療を心がけております。そのために不可欠となるのは医療スタッフの協調であり、他科を含めた医師、看護師、薬剤師、検査・放射線技師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカー、事務系職員と協力して患者さまのお悩みの解消にあたっています。

この地域においてこそできる、身近ですみずみにまで行き届いた医療を実践して、安心と信頼を提供できることを目指しております。

診療内容

外来
吸器外科外来は、手術日である火曜日を除く毎日、行っています。呼吸器センターとしては呼吸器内科・外科どちらかが毎日午前中、開設していますので、お気軽にご相談ください。

ご紹介状をもって受診される方、検診やドックでの異常の精密検査のために受診される方は、予め外来受診日・時間を電話にてご相談頂けますと、あまりお待ちいただかずに診察、検査を受けられます。

突然の胸痛・咳・呼吸困難で発症する気胸や、胸部外傷は枠にかかわらず随時、診察いたしますので、ご遠慮なくご相談ください。
入院
呼吸器内科・外科の入院病棟はともに、感染対策用の特別な病室もあるB棟4階です。呼吸器症状への対応に慣れたスタッフが対応させていただきます。

他の病院からの転院などに関しては、紹介元から当院の地域医療連携室へご相談頂ければ、適切に対応させていただきます。

主たる疾患の症状、検査、治療法

・肺がん
症状: 健康診断・人間ドックでの胸部異常陰影、血痰、胸痛
検査法: 高解像度CT、FDG-PET/CT、気管支鏡検査
治療法: 胸腔鏡補助下手術(肺葉切除・肺部分切除)/開胸手術/抗がん剤治療/分子標的薬治療(イレッサ、タルセバ、ジオトリフなど)/気管気管支ステント
・縦隔腫瘍
症状: 健康診断・人間ドックでの胸部異常陰影、胸部違和感
検査法: 高解像度CT・MRI、FDG-PET/CT、CTガイド下経皮針生検
治療法: 胸腔鏡補助下手術(腫瘍摘除)/開胸手術(胸骨正中切開、側方開胸)/抗がん剤治療
・重症筋無力症
症状: 夕方に増強する筋無力症状、眼瞼下垂
検査法: 筋電図、テンシロンテスト(以上、脳神経内科にて)、胸部CT
治療法: 薬物治療(脳神経内科)、外科治療(胸腺摘除)
・気胸
症状: 咳嗽、胸痛、呼吸困難
検査法: 胸部X線写真、胸部CT
治療法: 胸腔ドレナージ、胸腔鏡下肺嚢胞切除縫縮術
・胸膜炎、膿胸
症状: 発熱、胸痛、呼吸困難
検査法: 採血検査、胸腔穿刺 、胸部CT
治療法: 抗生剤治療、胸腔ドレナージ、胸腔鏡下醸膿膜切除
・胸部外傷(胸部打撲、肋骨骨折、外傷性血気胸)
症状: 胸痛、呼吸困難
検査法: 胸部CT
治療法: 鎮痛剤、外固定、胸腔ドレナージ

外来、入院統計

2023年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計 平均
外来述べ
患者数
191 185 212 191 184 194 203 184 194 164 137 199 2,238 186.5
入院延べ
患者数
118 172 184 198 209 313 225 279 234 269 275 242 2,718 226.5

手術実績 2023年(2023年1月~12月)

診療科 治療内容 合計
原発性肺がん
60件
肺全摘除 0
肺葉切除 22
肺区域切除 14
肺部分切除 24
気胸
18件
肺嚢胞切除 17
その他 1
縦隔腫瘍
11件
悪性腫瘍摘出 6
良性腫瘍摘出 5
転移性肺腫瘍
10件
肺葉切除 2
肺区域切除 3
肺部分切除 5
肺良性腫瘍
2件
肺葉切除 0
肺区域切除 1
肺部分切除 1
膿胸
3件
掻爬・洗浄・ドレナージなど 3
その他
17件
腫瘍摘出・生検・気管切開など 17
気管支鏡による処置 0
全手術件数 121
うち胸腔鏡手術 110(91%)

当施設の手術件数の推移

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原発性肺がんと胸腔鏡手術について

日本人のがん死亡を臓器部位別にみると男女ともに肺がんが最多ですが、最も効果的な治療は手術であり、手術可能な時期に発見し、手術を中心とした治療を行うことが重要です。当院では、呼吸器内科と連携を取りつつ、手術だけではなく、肺がんの診断や化学療法も当科で行うことで患者様を全人的に診療する形をとっております。提携施設である自治医科大学グループの治療成績では、肺がん術後5年生存率はIA期80%、IB期60%、II期50%、IIIA期45%となっております。

従来の肺がんの手術は15-20cm前後の皮膚切開と筋肉と肋骨を切断し、肋間を開大して行われていましたが、時代の流れと共に低侵襲な手術が注目を集め、胸腔鏡手術という新しい方法が導入されるようになりました。胸腔鏡手術とは、胸腔鏡という細長い内視鏡カメラや手術器具を肋骨の間(肋間)から挿入して、テレビモニターに映し出される画面を見ながら手術を行う方法です。胸腔鏡技術の進化により、肺がんに対する標準手術(肺葉切除+縦隔リンパ節郭清)も3-5cmの皮膚切開で、肋骨を切断することなく行うことが可能になり、術後合併症の減少や呼吸機能の温存などから早期の社会復帰も期待できます。一方で、胸腔鏡手術に固執せずに、病変の部位や進行度に応じて必要であれば、肋骨切離を伴う開胸手術を選択することもあります。また、肺がんの標準手術である肺葉切除を中心に行っておりますが、病変の状況や患者様の呼吸機能を考慮しながら、肺を温存する縮小手術(区域切除・部分切除)も積極的に行っており、患者様毎に適切な治療方法を選択するように心がけております。当科では、自治医科大学附属病院と同様の手技で胸腔鏡手術を行っており、4-5個の小孔(図参照)で肺がんの標準手術を2-3時間で行っており、術後も4-7日程度で退院される患者様が大部分になっております。

当施設での胸腔鏡を用いた根治的右肺癌手術の創部の一例

当施設での胸腔鏡を用いた根治的右肺癌手術の創部の一例

外来医師担当表

曜日 午前 午後
呼吸器外科 呼吸器外科
中野 智之 《予約のみ》
中野 智之
滝 雄史 《予約のみ》
滝 雄史
中野 智之 《予約のみ》
中野 智之
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