診療科のご案内

リプロダクションセンター

まずはご相談ください

子供が欲しいのになかなか妊娠できない、おかしいなと感じたらご相談ください。いきなり病院においでになるのに抵抗がある場合は、まずメールfsoudan@iuhw.ac.jpでご相談いただいても結構です。

  • ※メールの返信には数日かかることがありますので、ご了承ください。
  • ※1週間程度で返信がない場合、お手数ですがお電話にてお問い合わせください。
  • ※携帯メールで送信の方は、メールfsoudan@iuhw.ac.jpから返信しますので必ずドメイン設定を行ってください。

基本理念

それぞれのカップルに最適の不妊治療を見つけてご提供いたします。
不妊の原因は男性も女性も同程度に持っている可能性がありますので、カップルとして診察し、それぞれの原因を明確にします。
おふたりの力による自然妊娠をめざしますが、不妊の原因によっては人工授精や体外受精もお勧めしています。

特徴

プライバシーを尊重し、産婦人科外来とは独立して設置しております。
初診・再診ともに予約制です。
不妊の総合診療、女性の診療、男性の診療、人工授精・体外受精・顕微授精などの治療は、C棟3階のリプロダクションセンターで行います。

設備

採卵・胚移植室、安静室、培養室、メンズルーム、カウンセリングルーム、キッズルーム(一緒にご来院されたお子様のためのスペース)

※培養室には、顕微授精システム2台、蛍光顕微鏡システム、レーザーアシステッドハッチング装置、精子コンピューター解析装置、電気融合装置などを設置。

予約制

相談や診察を希望する場合には、まず予約をしてください(「ご予約」を参照)。
初回の相談では30分、診察(カップル)の場合は60分程度のお時間をいただきます。
できるだけおふたりでおいでいただきたいのですが、おふたりの都合がつかない場合は、おひとりだけでも結構です。
はじめにお話を伺う場所は、リプロダクションセンター(C棟3階)です。
すでに診療を受けている場合には、なるべく紹介状をお持ちください。紹介状があれば大変参考になります。 また、セカンドオピニオンも受け付けております。

診察・検査・治療

おふたりのお話を伺います

まず、おふたりから現在までの状況をお伺いします。
そのうえで、女性に必要な検査、そして、男性には男性不妊部門の専門医(泌尿器科医)による診察を手配いたします。

女性の診察・検査

主な検査には以下のようなものがあります。

卵管の検査

卵管の異常による原因は一番数が多いので、検査は重要です。
子宮卵管造影検査を月経終了後から排卵の間に行います。
実施時の痛みをなくすためにセンターではヒスキャスという柔らかいチューブを使用して行います。
この検査ではX線造影剤を使って子宮の形、卵管の通過性などを調べます。
翌日にお腹のX線写真だけ撮影して卵管周囲の癒着の有無などを判定します。

子宮内膜ポリープの検査

子宮卵管造影検査と同じようにヒスキャスを用いて子宮内に清潔なお水を入れて子宮内をやや膨らませた状態で超音波検査を行って評価します。
通常は子宮卵管造影検査に引き続いて実施しています。

ホルモン検査(血液検査)

卵子(卵胞)を発育させるホルモンや、女性ホルモンなどを測定し、ホルモン環境に乱れがないかを評価します。
まずは、月経周期5日以内に採血して検査します。 必要に応じてホルモン負荷試験を実施します。

感染因子の検査

子宮内の炎症の原因となる細菌やクラミジアの検査をします。

性交後試験(フーナーテスト)

性交後、子宮頚管粘液中に運動精子が存在するかを顕微鏡で調べます。

抗精子抗体検査

血液(女性側)検査です。
精子に対する不動化抗体の有無を調べます。
原因としては全体の3%程度ですが、不妊期間が長い場合や、不妊の原因がはっきりしない場合には陽性率が高くなります。
陽性の場合、子宮内などで精子が不動化され受精できなくなっています。

抗ミューラー管ホルモン検査(卵巣の予備力検査)

抗ミューラー管ホルモン(AMH)は発育過程の卵胞(前胞状卵胞)から分泌されています。検査することで卵巣予備能を評価することができます。具体的には、卵巣の中に残っている卵子の数の指標となります。

女性側の治療

センターで指導する治療法には以下のものがあります。

タイミング療法

おふたりの力で妊娠できるという点で大事な治療法です。 必要があれば排卵誘発剤などを使用することもあります。 どこも悪くなく妊娠できる夫婦が、1ヶ月で妊娠できる確率は20%程度といわれています。ですから、妊娠までは少なくとも5ヶ月間が必要ということになります。 また、下のグラフは、「妊娠した夫婦で、排卵日が判明し、チャンス(1回だけ)をつくった日ごとの妊娠率」を示しています。 排卵日の1日前から4日前までのあいだは、妊娠率が高いことが示されています。 つまり、排卵すると卵子の質は短時間に低下すること、精子は卵管の中などで何日か生存し、排卵を待っているということになります。

人工授精(AIH)

原因がはっきりしない場合や精子濃度が低い場合に実施します。 排卵期に子宮内へ濃縮した運動精子を注入する方法で、卵管内の卵子の周囲に集まる精子の数を増やして、受精を図る方法です。 日本での1回あたりの平均妊娠率は約7%です。 この方法で妊娠できる場合は多くが約5回以内です。

体外受精・胚移植法(IVF-ET)

次のような場合に実施します。

  1. 卵管に問題がある場合
  2. 人工授精でも妊娠できない場合
  3. 精子の数や運動率に問題がある場合
  4. 抗精子抗体が陽性の場合

日本での1回あたりの平均妊娠率は27%です。
この方法で妊娠できる場合は多くが約4回以内です。
胚移植は多胎妊娠を防ぐように、1個~2個の胚(受精卵)を子宮に戻します(胚移植します)。この時に胚移植しなかった余剰胚を凍結保存することもできます。
よい受精卵を選択するために、受精卵を5日間培養して「胚盤胞」というステージまで発育させて胚移植(胚盤胞移植)することもあります。

顕微授精法(卵細胞質内精子注入法、ICSI)

体外受精を行っても受精しない場合に実施します。
体外受精の一つのオプションで、卵子に精子が受精するところを、顕微鏡を見ながら卵子の中に精子を1個注入する方法です。
当センターのスタッフは日本初のICSI児を誕生させたICSIのエキスパートです。
日本での1回あたりの平均妊娠率は22%です。この方法で妊娠できる場合は多くが約4回以内です。

各手術治療

お腹の手術は基本的に腹腔鏡による手術を行います。以下のような種類の手術があります。

  1. 腹腔鏡による卵管、卵巣、子宮の状態把握の検査
  2. 腹腔鏡下癒着剥離術(卵管周囲などの癒着を解除します。)
  3. 腹腔鏡下卵管形成術(卵管水腫などを正常な状態に修復します。)
  4. 腹腔鏡下子宮筋腫核出術
  5. 子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術
  6. 卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテルとも呼ばれる治療で、卵管のつまりを解除する方法です。)

男性の診察・検査

男性不妊の専門外来は全国でも少なく、栃木県のみならず他県からも多くの方が来院されています。スクリーニング検査から、手術・高度不妊治療まで、併設された女性側の外来と連携して治療を行うことができます。
「結婚前に検査を希望したい独身の方」「これから妊活をはじめるカップルの方」「高齢や持病などで他院での治療を断られた方」についても積極的に診療しております。さらに不妊症にとどまらず、セクシュアルヘルス(性腺機能低下症・更年期障害に対するホルモン補充療法、膣内射精障害に対するカウンセリングなど)や 若年がん患者さんの抗がん剤投与前後の妊孕性温存についても多くの実績があります。

精液検査

基本検査としては精液量、精子濃度、精子運動率、おおよその奇形率、白血球数などを調べます。 精密検査としては、精子の運動性についてのコンピューターでの分析(CASA)、精子形態異常の精密検査(クルーガーテスト)、精子生存性の蛍光染色評価などを行います。

精子DNA損傷検査、抗酸化力検査

通常の精液検査では精子の形や動きを評価できますが、精子機能(精子の質)を十分に評価することができません。精子の酸化ストレスは精子DNA損傷の主な原因であり、DNA損傷率が高いと受精率・胚の質・妊娠率が低下することが報告されています。

ホルモン検査(血液検査)

男性ホルモンや精子形成に重要なFSH,LHなどのホルモンを測定します。 必要がある場合には精密検査としてホルモン負荷試験を行います。

超音波検査

精巣や精巣上体の形態のチェック、精索静脈瘤のチェックをします。

染色体検査・無精子症関連遺伝子の検査

高度乏精子症(極めて精子が少ない方)や無精子症(精液中に精子がいない方)の場合に、精液異常の原因を調べるためと、治療によってできた男の子にお父さんと同じような異常が遺伝する可能性を調べるために検査をいたします。

男性側の治療

精子の数を増加させたり、精子運動率を改善させるために実施します。

お薬による治療法
ホルモン療法

不足しているホルモンを補うホルモン補充療法などを行います。
男性ホルモン療法も行うことがあります。

その他の薬物療法

確実な効果が実証されていないものが多いのですが、理論的に期待できるお薬が使用されます。
補中益気湯や八味地黄丸などの漢方薬、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンB12、カルニチンなどです。
最近、センターではトマトに高濃度に含まれている抗酸化剤であるリコピンに注目しています。

手術療法

2005年以降、約800件の手術実績があります。

精索静脈瘤の手術
  • 精索静脈瘤とは?

    精巣の静脈の流れが滞ることで、こぶ状に拡張する病気です。精巣内の温度上昇や血流の悪化などによって精巣が悪影響を受け、男性不妊を引き起こします。また、陰嚢の慢性的な痛みの原因となることがあります。手術により根本治療が可能な代表的な病気です。

  • 手術による効果は?

    70%の患者様で精液検査の結果の改善を認めます。自然妊娠が可能になったり、女性側の不妊治療の強度を下げられることがあります。不妊治療は妊娠できなければ、通常「ステップアップ」といい、人工授精→体外受精→顕微授精と強度を上げていきます。しかし、精子が改善することで、逆に「ステップダウン」つまり治療強度を下げることが期待できます。また、通常の精液検査では分からない精子の質(精子のDNA損傷率など)の改善も見込め、人工授精・体外授精・顕微授精の成功率が上昇する(妊娠率上昇、流産率低下)と報告されています。不妊治療全体の治療費を下げることや、女性側の治療負担の軽減、治療のスピードアップが望めます。

  • 顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術

    精索静脈瘤の術式は複数ありますが、当院では「顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術」という術式を行っています。陰毛に隠れやすい2cm程度の傷ですみます。顕微鏡を用いて逆流静脈のみ結紮し、動脈やリンパ管は1本1本丁寧に温存するため、再発率や合併症が少ない術式です。

無精子症の治療
  • 無精子症とは?

    無精子症とは、精液中に精子を認めない状態のことをいいます。精子は作られているが精子の通り道に問題が生じている「閉塞性無精子症」と、精巣そのものに精子を作る機能が低下している「非閉塞性無精子症」があります。多くの場合、精巣から精子を回収する手術「TESE(精巣内精子回収術)」を行い、精子が回収できれば顕微授精を行うことができます。当院で採取した凍結精子をかかりつけのレディースクリニックに持ち込むことも可能です。閉塞性無精子症に対しては顕微鏡下精路再建術を検討します。

  • TESE(精巣内精子回収術)

    陰嚢を1cmほど切開し、精巣内の精細管という細い組織から精子を採取します。閉塞性無精子症では、conventional TESEという比較的簡単な方法で約99%の可能性で精子が見つかります。非閉塞性無精子症では手術用顕微鏡を用いて行うMD-TESEを行い、約30-40%程度の割合で精子が見つかります。

  • 顕微鏡下精路再建術

    閉塞性無精子症では可能な限り顕微鏡下精路再建術を行います。閉塞してしまった通り道を、手術用顕微鏡を使用して繋ぎ直す手術です。射出精子が認められれば、自然妊娠が可能になり女性側の負担を大きく軽減することができます。

男性の不妊症以外の治療
慢性陰嚢痛に対する顕微鏡下精索除神経術

「3か月以上続く精巣の痛み」を慢性陰嚢痛といいます。まずは痛み止めなどによる薬物療法を行いますが、効果がない場合には手術を行います。手術としては、顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術とほぼ同様です。精索静脈瘤があれば結紮し、精巣に向かう神経を離断します。約9割の患者様が手術の結果に満足されています。

包茎手術・パイプカットなど、その他の男性器の治療についてもご相談ください。