循環器内科
循環器内科・心臓外科合同抄読会 平成27年4月
- 平成27年4月12日(担当:武田)
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Randomized Trial of Primary PCI with or without Routine Manual Thrombectomy N Engl J Med 2015; 372:1389-1398
【背景】
ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)に対する血栓吸引療法の有効性は様々な報告があるが未だに結論づけられていない。【方法】
対象は発症12時間以内のST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)であり、血栓吸引療法の有効性を検証するための大規模RCT(n=10732)を行った。
主要エンドポイントとして、180日以内の心血管死、心筋梗塞再発、心原性ショック、心不全(NYHA IV)の出現で評価し、安全性エンドポイントとして、30日以内の脳卒中で評価した。【結果】
主要エンドポイントは血栓吸引+PCI群347/5033人、PCI単独群351/5030人で、HR0.99と有意差を認めなかった。また、30日以内の脳卒中は血栓吸引群で有意に上昇(HR2.06)した。【結論】
PCI前のルーチン血栓吸引療法は180日のアウトカムを改善せず、30日の脳卒中発生率を増加させた - 平成27年04月07日(担当:柘植)
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Results of Low-Dose Human Atrial Natriuretic Peptide Infusion in Nondialysis Patients With Chronic Kidney Disease Undergoing Coronary Artery Bypass Grafting Journal of the American College of Cardiology doi:10.1016/j.jacc.2011.03.056
【目的】
CABGを行った非透析CKD患者に対する低容量hANPの有効性に関して検討。【背景】
CKDは心臓手術の重要なリスクファクターである。【方法】
RCTで、対象はバイパス術を受ける非透析CKD患者303人。hANP使用群と非使用群に割り付け。主要エンドポイントは①術後透析回避率 ②血清クレアチニン値とeGFR。
二次エンドポイントは、①術後早期の成績②術後1年の手術成績③術後最高クレアチニン値と、クレアチニン上昇率④ANPとcGMPレベル【結果】
術後クレアチニン値は術後早期、1年後とも、hANP群で低値。
術後最高クレアチニン値とクレアチニン上昇率は、hANP群で低い。(p=0.00665 , p<0.0001).
術後1年間での死亡率は両群で差がない。
心イベント発生率と透析導入率は、hANP群で低い。(p<0.0001 , p=0.0014)【結論】
術後急性期ではhANPは心腎保護効果を示し、透析導入率を低下させた。
周術期のhANPは、腎不全でオンポンプCABGを施行する患者に有効である可能性がある。