循環器内科
循環器内科・心臓外科合同抄読会 平成26年6月
- 平成26年06月18日(担当:柘植)
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Mitral-valve repair versus replacement for severe ischemic mitral regurgitation.
N Engl J Med. 2014 Jan 2;370(1):23-32.
<目的>重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する弁形成術と弁置換術の有効性の比較。
<方法>重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症の患者251人を,僧帽弁形成術(MVP)または腱索温存僧帽弁置換術(MVR)に、無作為に割り付けた。
プライマリエンドポイント:ランダム化から12ヶ月後のリバースリモデリングの程度(LVESVIで評価)。
セカンダリエンドポイント:主要な心血管系イベントと脳血管イベントの複合発生率、QOL。
<結果>LVESVIの平均変化(MVP vs. MVR)-6.6ml/m2 vs. -6.8ml/m2で、有意差なし。MVP群はMRの再発率が高いが、心血管系イベントと脳血管イベントの複合発生率,QOLに有意差が出なかった。
<結論>MVPと腱索温存MVRで、12ヶ月でのリバースリモデリングと心血管、脳血管イベント発生率で有意差が認められなかった。MVRはMRの再発が少なく、これが長期予後に影響をおよぼす可能性があるが、人工弁を使うことによる合併症も考慮する必要があり、さらなる追跡が必要。