循環器内科
循環器内科・心臓外科合同抄読会 平成26年3月
- 平成26年03月05日(担当:武田)
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A Randomized Trial of Genotype-Guided Dosing of Warfarin N Engl J Med 2013; 369:2294-2303December 12, 2013
<背景>ワーファリンの至適用量を治療開始前に予測することは困難である。近年ワーファリンやビタミンK代謝に関わる遺伝子の遺伝型に基づいた投与量決定が有用である可能性が示唆されている。
<方法>心房細動及び深部静脈血栓の患者を対象として、薬理遺伝学的投与法群と通常通りの投与法群の多施設共同無作為化比較対照試験を行った。薬理遺伝学的投与法群ではCYP2C9*2、CYP2C9*3、VKORC1の遺伝子型を決定し、遺伝学に基づいたレジメンで投与した。対照群(通常投与法群)では一定のレジメンを使用し投与を行った。
<結果>薬理遺伝学的投与法群ではPT-INRが治療域(2.0-3.0)内に収まっている時間が平均67.4%であり、通常投与法群の60.3%を有意に上回っていた。また、薬理遺伝学的投与法群ではINR4.0以上の発生率が有意に低く、INRが治療域に達するまでの時間が有意に短かった。
<結論>ワーファリンの投与量決定の際、薬理遺伝学的投与法は、現在行われている標準投与法に比し、有用である可能性がある。