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循環器内科

循環器内科・心臓外科合同抄読会 平成25年9月

平成25年9月20日(担当:吉永)

Tricuspid annuloplasty concomitant with mitral valve surgery: Effects on right ventricular remodeling
J Thorac Cardiovasc Surg 2013 Jun 27. pii: S0022-5223(13)00563-1. doi: 10.1016/j.jtcvs.2013.05.007.
僧帽弁手術と同時に三尖弁形成術(TVP)を施行された群(TVP群)45例と僧帽弁手術のみを施行された群(コントロール群:C群)33例の周術期の右室リモデリングについて検証した試験。さらに、TVP群は、術前のTRが3度以上の群13例と術前のTRは2度以下であるが三尖弁輪拡大(TAD)(diameter>40mm or 21mm/m2)を認めた群32例で比較検証されていた。
結果は、TVP群では周術期のend-diastolic sphericity index(RVSI=lomg-axis length/short-axis length)は有意に増加していた。C群ではRVSIは有意に低下し、さらに、indexed RV end-diastolic area(RVEDA)が有意に増加していた。また、TVP群の中でも、TRが3度以上の群でRVEDAは有意に減少していた。
中等度以上のTRやTADを有する症例に対して、僧帽弁手術と同時にTVPを施行することは、術後に右室の良好な形状変化をもたらし、右室の拡大を予防するとの結論であった。

平成25年9月13日(担当:武田)

Nonemergency PCI at Hospitals with or without On-Site
Cardiac Surgery (NEJM 2013;368:1498-508.)
米国マサチューセッツ州において、緊急性のないPCI患者を3:1の割合で、心臓手術設備の無い病院でPCIを受ける群と、心臓手術設備のある病院でPCIを 受ける群に、無作為に割り付けた。主要エンドポイントは30日後と12ヶ月後の時点におけるMACE(死亡、心筋梗塞、血行再建術の再施行、脳卒中)の発生率とした。
結果、2774例が心臓手術設備の無い病院でPCIを受け、917例が心臓手術設備のある病院でPCIを受けた。MACEの発生率は、30日の時点で心臓手術設備の無い病院で9.5%、心臓手術設備のある病院で9.4%、12ヶ月の時点で心臓手術設備の無い病院で17.3%、心臓手術設備のある病院で17.8%であった。いずれの時点においても有意差は認められなかった。結論として、緊急性のないPCIは心臓手術設備のある病院で施行しても無い病院で施行しても、30日と1年の時点で臨床イベントの発生に差は無かった。