循環器内科
循環器内科・心臓外科合同抄読会 平成25年3月
- 平成25年3月29日(担当:柴)
-
Short PM, et al. Effect of Beta blockers in treatment of chronic obstructive pulmonary disease:
a retrospective cohort study
BMJ 2011;342:d2549
β遮断薬は適正に使用すれば心血管疾患患者の予後を改善することが知られています。一方COPD患者においてはFEV1低下の懸念などから使用が敬遠される傾向にあります。
著者らはNHS Tayside Respiratory Disease Information SystemからCOPD症例5977名を抽出してβ遮断薬のイベント減少効果について後ろ向きに解析を行いました。
平均追跡期間4.35年の間に、β遮断薬使用群では22%の全死亡低下が認められました。同様に心筋梗塞死、COPD増悪による急性期ステロイド投与、呼吸器疾患による入院についても有益な効果が示唆されました。COPD患者におけるβ遮断薬投与が考慮する価値のある治療であると結論しています - 平成25年3月22日(担当:菅野)
-
Fibrinolysis or Primary PCI in ST-Segment Elevation Myocardial Infarction
N Engl J Med 2013.DOI: 10.1056/NEJMoa1301092
2008年から2012年にかけて15か国の99施設にて無作為に1892名を抽出し、線溶療法群とプライマリーPCI群に分けての研究。
線溶療法群は、発症後3時間以内の患者で、1時間以内にプライマリーPCIを受けることができなかったSTEMIの患者にtPAを施行。主要エンドポイントは死亡、ショック、うっ血性心不全、または30日以内の再梗塞とした。
結果、線溶療法では、1時間以内にPCI施行できなかった早期STEMI患者において効果的な再灌流を得る事が出来た。しかしながら、線溶療法は頭蓋内出血のリスクを増加させてしまうことが問題点として指摘された。