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循環器内科

循環器内科・心臓外科合同抄読会 平成24年5月

平成24年5月29日(担当:吉永)

Two-Year Outcomes after Transcatheter or Surgical Aortic-Valve Replacement
N Engl J Med 2012;366:1686-95.
大動脈弁狭窄症の手術ハイリスク患者に対して経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)を施行された348例と大動脈弁置換術(AVR)を施行された351例の成績を比較、検証した試験:術後2年の死亡率は両群間で有意差はありませんでした。脳梗塞、一過性脳虚血発作に関しては、頻度はTVARで多くみられましたが、有意差はありませんでした。術後、症状、弁血行動態は改善しても、TAVR群においては弁周囲逆流が晩期死亡率に相関すると指摘されています。

平成24年5月22日(担当:菅野)

Carotid artery stenting compared with endarterectomy in patients with symptomatic carotid stenosis (International Carotid Stenting
Study): an interim analysis of a randomized controlled trial
Lancet.2010;375(9719):985-997.
症候性頸動脈狭窄患者に対して行った、頸動脈ステント留置術(CAS)と内膜剥離術(CEA)における成績の比較をした試験:CASはintention to treat解析にて120日以内でCEAと比較すると、脳卒中、死亡、周術期心筋梗塞リスクが明らかに高いと結果がでています。また、治療後30日間でper-protocol解析にて比較をしても、同疾患に罹患するリスクはCASで有意に高いことも述べられていました。

平成24年5月15日(担当:柴)

Transcatheter Aortic-Valve Replacement for Inoperable Severe Aortic Stenosis
N Engl J Med 2012;366:1696-704.
外科手術不適応の大動脈弁狭窄症358例に対して経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)の有用性を検証した試験:PARTNER試験の長期成績を報告しています。TAVRは症状・死亡率・入院率を低下させ、弁血行動態の改善は術後2年でも維持されていました。一方、複数の合併症がある場合は、その有効性は低下する可能性があることも指摘されています。