診療科のご案内

腎泌尿器外科

2024/12
2025年 1月から第 8回尿路結石症全国疫学調査を開始いたします
2024/11
診療科のご案内を更新しました

ご挨拶

腎・泌尿器外科診療科長の高山達也です。当科は、4名の常勤泌尿器科医(日本泌尿器科学会専門医4名・指導医3名)で泌尿器科領域の専門的な医療を提供しております。また、当施設は泌尿器科研修医が最新の泌尿器科診療を幅広く学べる泌尿器科専門医教育施設です。

患者様の状況や希望を最大限に考慮し、納得できる医療を基本方針に、各種診療ガイドラインに沿って、エビデンスに基づく質の高い医療を提供しています。
2013年3月には手術支援ロボット「ダビンチ」を栃木県下で初めて導入し、これまでに前立腺がんを含め700例以上に低侵襲かつ安全で機能温存に優れた最先端のロボット手術を提供しています。

前立腺肥大症に対する内視鏡手術では、従来の内視鏡手術(経尿道的切除術:TUR)に加え、ツリウムレーザーを用いたより安全で合併症の少ない「ツリウムレーザー前立腺蒸散術(Thulium laser Vaporization of the Prostate: ThuVAP)」を採用しております。また、体への負担が少なく、手術時間は約15分と短時間で済む高齢の方でも安全に実施できる手術方法として、「経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift:ウロリフト)」も採用しており、様々な状況の患者様に対応できます。

尿路結石症に対する外科的治療は、「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」による1泊2日の治療、難治性の結石や腎臓内部に残存する微小結石に対しても細径尿管鏡と最新式のホルミウムレーザーを用いて砕石し、摘出しております「経尿道的尿路結石除去術(TUL)」。

これらの低侵襲治療をご提供する一方で、転移性腎がん、膀胱がん、去勢抵抗性前立腺がんに対する抗癌剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などによる薬物療法も豊富な経験を有しています。
常に患者様本位の医療を心がけ、丁寧でわかりやすい説明を行うことをモットーに、低侵襲で安全かつ確実な技術にもとづいた最先端の治療をご提供いたします。

診療内容

月曜から土曜の午前中、常勤医師4名が交代で外来診療にあたっています。手術は水、木、金曜日の午前・午後に行っています。

当科では、主に以下のような患者様を対象に診療を行っています。

  1. 悪性腫瘍(がん)(腎臓がん・腎盂尿管がん・膀胱がん・前立腺がん・精巣腫瘍など)
  2. 尿路結石症(腎結石・尿管結石・膀胱結石)
  3. 男性の排尿障害疾患(前立腺肥大症・尿道狭窄・神経因性膀胱・尿失禁・頻尿など)
  4. 女性の排尿障害疾患(尿失禁・間質性膀胱炎・膀胱脱・神経因性膀胱・頻尿など)
  5. 尿路感染症(腎盂腎炎・膀胱炎・前立腺炎・精巣炎・精巣上体炎など)
  6. 性器感染症(クラミジア・淋病・尖圭コンジローマ・性器ヘルペスなど)
  7. 小児泌尿器疾患(停留精巣・陰嚢水腫・包茎・水腎症・夜尿症など)
  8. 男性機能障害(ED)
  9. 男性不妊症:当院リプロダクションセンターと連携します。
  10. その他の泌尿器科疾患

主な疾患とその検査法・治療法

副腎腫瘍
症状
無症状、高血圧症・めまい・動悸・頭痛・中心性肥満・糖尿病・筋力低下・脱力感・低カリウム血症・四肢麻痺・テタニー・知覚障害・多飲多尿・発汗過多・など
検査法
血液尿(ホルモン)検査・CT検査・MRI検査・超音波検査・核医学検査(シンチグラフィ)・副腎静脈サンプリング・負荷試験など
治療法
ロボット支援・腹腔鏡下・開腹手術(副腎摘除術)
腎がん
症状
無症状(健診などの超音波検査で発見)・血尿・腹痛・体重減少など
検査法
CT検査・MRI検査・超音波検査・血液検査・尿検査・骨シンチグラフィ
治療法
ロボット支援・腹腔鏡下・開腹手術(根治的腎摘除術・腎部分切除術)/分子標的薬治療(スニチニブ、ソラフェニブ、エベロリムス、テムシロリムス、アキシチニブ、カボザンチニブ、レンバチニブ)/免疫チョックポイント阻害剤(ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、アベルマブ)/サイトカイン療法(インターフェロン・インターロイキン)
腎盂尿管がん
症状
症状を伴わない肉眼的血尿・側腹部痛など
検査法
尿検査・造影検査(静脈性尿路造影:DIP・逆行性尿路造影:RP)・CT検査・MRI検査・超音波検査・膀胱尿管鏡など
治療法
ロボット支援・腹腔鏡下・開腹手術(腎尿管全摘除術)/経尿道的腎盂尿管がんレーザー焼灼術/抗がん剤治療(GC療法・MVAC療法など)/免疫チョックポイント阻害剤(ペンブロリズマブ、アベルマブ、ニボルマブ)/抗Nectin-4抗体微小管阻害薬複合体(エンホルツマブ ベドチン)
膀胱がん
症状
症状を伴わない肉眼的血尿など
検査法
尿検査・膀胱鏡検査・造影検査(DIP)・超音波検査・CT検査・MRI検査・RI検査(骨シンチグラフィ)など
治療法
内視鏡手術(生理食塩水潅流経尿道的膀胱腫瘍切除術:Bipolar TURBT)/ロボット支援・開腹手術(膀胱全摘除術+尿路変向術)/膀胱温存療法(放射線療法併用動注化学療法)/抗がん剤治療(GC療法・MVAC療法など)/免疫チョックポイント阻害剤(ペンブロリズマブ、アベルマブ、ニボルマブ)/抗Nectin-4抗体微小管阻害薬複合体(エンホルツマブ ベドチン)
前立腺がん
症状
無症状(早期がん)・排尿困難・血尿・下腹部違和感など
検査法
血液検査(前立腺特異抗原:PSA)・尿検査・経直腸超音波検査・MRI検査・前立腺針生検・CT検査・RI検査(骨シンチグラフィ)など
治療法
ロボット支援・開腹手術 (根治的前立腺全摘術)/放射線療法(外照射:IMRT)/ラジウム223内用療法/ホルモン治療(エンザルタミド、アビラテロン、アパルタミド、ダロルタミド)/PRAP阻害剤(オラパリブ)/抗がん剤治療(ドセタキセル、カバジタキセル)
精巣腫瘍
症状
痛みなどの症状がない陰嚢内容の腫大など
検査法
血液検査(マーカー)・超音波検査・MRI検査・CT検査・RI検査(骨シンチグラフィ)など
治療法
高位精巣(睾丸)摘除術/放射線療法(外照射:リニアック)/抗がん剤治療(BEP/VIP/TIPなど)/後腹膜リンパ節廓清術
陰茎がん
症状
陰茎の腫瘤
検査法
血液検査(マーカー)・MRI検査・CT検査・RI検査(骨シンチグラフィ)など
治療法
陰茎腫瘤切除術・陰茎部分切断術・陰茎全切断術・リンパ節廓清術/放射線療法(外照射:リニアック)/抗がん剤治療
尿路結石症
症状
腹痛・側腹部痛・腰痛・血尿・発熱・嘔気嘔吐など
検査法
尿検査・血液検査・エックス線検査・CT検査・尿路造影検査(DIP)
治療法
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)/経尿道的尿路結石除去術(TUL)/経皮的腎砕石術(PNL)
前立腺肥大症
症状
頻尿・夜間頻尿・尿意切迫感・尿勢低下・排尿困難・残尿感・尿失禁
検査法
血液検査(PSA)・尿検査・尿流測定・残尿測定・排尿記録・超音波検査・経直腸超音波検査・尿路造影検査(DIP)・内視鏡検査・尿流動態検査
治療法
薬物療法/経尿道的前立腺切除術(TURP)/生理的食塩水潅流経尿道的前立腺切除術(bipolar TURP)/ツリウムレーザー前立腺蒸散術(ThuVAP)/経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift:ウロリフト)/開放手術(被膜下前立腺腺腫核出術)
神経因性膀胱(男性女性)・尿失禁(男性)
症状
排尿障害(排尿困難・尿勢低下・尿意減弱・尿閉・溢流性尿失禁)、蓄尿障害(頻尿・夜間頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁)など
検査法
尿検査・尿流・残尿測定・排尿記録・超音波検査・尿路造影検査(DIP)・膀胱尿道鏡検査・尿流動態検査
治療法
薬物療法/生活指導/自己導尿法/ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法
尿失禁(女性)
症状
尿漏れ(腹圧時・切迫性)
検査法
尿検査・尿流・残尿測定・排尿記録・ストレステスト・パッドテスト・チェーン膀胱造影・尿流動態検査
治療法
薬物療法/干渉低周波治療/バイオフィードバック法/手術療法(TVT・TOT法)/ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

スタッフ紹介

集合写真

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外来、入院統計

2023年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計 平均
外来述べ
患者数
1,486 1,653 1,855 1,881 1,974 1,982 1,920 1,887 2,060 1,905 1,814 1,875 22,292 1,857.7
入院延べ
患者数
354 547 516 357 507 617 609 405 419 567 522 480 5,900 491.7

診療実績【2023年度】

月別手術・ESWL件数
件数 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計 平均
手術 34 30 40 44 47 50 42 43 41 49 42 53 515 42.9
手術* 45 42 51 53 55 60 50 54 52 58 50 59 629 52.4
尿管ステント留置 1 7 2 1 4 7 2 5 5 7 4 15 60 5.0
尿管ステント交換 14 22 17 17 15 19 18 15 13 17 15 14 196 16.3
腎瘻造設 0 4 1 1 1 1 1 1 0 0 1 1 12 1.0
膀胱瘻造設 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 2 0.2
ESWL 4 3 7 2 6 7 7 7 5 3 12 2 65 5.4

手術 ;手術件数
手術*;手術室で施行した術式の総和

入院症例の疾病分類別推移
術式 2021年度 2022年度 2023年度
副腎 0 (1) 0
腫瘍 0 1 0
腎臓・腎盂尿管 (260) (243) (258)
腫瘍(癌) 56 44 42
腎盂腎炎 71 64 75
結石 126 122 129
損傷 4 0 1
嚢胞 1 3 4
尿管狭窄 2 10 7
膀胱・尿膜管 (149) (145) (163)
腫瘍(癌) 112 131 124
結石 18 4 17
出血 14 0 15
膀胱膣瘻 5 9 1
尿膜管疾患 0 1 2
放射線性膀胱炎 0 0 6
前立腺 (325) (362) (353)
腫瘍(癌)疑い 300 323 306
肥大症 18 29 30
炎症 7 10 17
尿道 (9) (6) (4)
狭窄 9 6 3
損傷 0 0 1
精巣・精巣上体・精管 (15) (12) (24)
腫瘍 10 4 9
停留精巣 0 0 0
陰嚢水腫・精液瘤 3 6 6
精巣外傷 0 1 0
精索捻転 1 1 1
陰嚢外傷 0 0 0
精索静脈瘤 1 0 6
炎症 0 0 2
陰茎 (3) (6) (2)
腫瘍 1 1 1
包茎 2 5 1
外傷 0 0 0
後腹膜・骨盤・会陰部 (4) (4) (6)
腫瘍 3 2 3
炎症(後腹膜線維症含む) 1 2 3
腎後性腎不全・水腎症 (5) (13) (12)
腎後性腎不全 2 11 9
尿閉 3 2 3
膀胱脱・尿失禁 (1) 0 (1)
その他 (4) (13) (21)
総計 (766) (782) (838)

手術実績

術式 2021年度 2022年度 2023年度
腎・副腎手術 37(16) 32(8) 37(9)(10)*
副腎摘除術 0(0) 2(1)* 0(0)
根治的腎摘術 11(9) 3(1) 10(8)(1)*
腎部分切除術 8(4) 8(6)* 8 (6)*
腎尿管全摘術 8(3) 3(0) 5(1)(3)*
後腹膜腫瘍摘除術 0 2 3
腎瘻造設術 10 14 12
膀胱手術 109(97) 101(90)(5)* 97(82)(8)*
膀胱全摘 5(0) 5(2)* 5(4)*
膀胱部分切除 1(0) 2(0)(2)* 2
尿路変向術;回腸導管/皮膚瘻 5/1 3(1)*/2 6(4)*/0
TUR-BT 97(97) 89(89) 82(82)
膀胱膣瘻閉鎖術 0 1 1
膀胱瘻造設術 1 1 1
前立腺手術 295(18)(67)* 324(22)(81)* 302(26)(83)*
前立腺生検;外来含 210 221 193
前立腺全摘(RARP) * 67(67)* 81(81)* 83(83)*
TUR-P/HoLEP 7/11(18) 9/13(22) 13/12/1(26)
尿道手術 10(9) 4(4)    1(1)
尿道狭窄手術 9(9) 4(4) 1(1)
尿道ステント留置 0 0 0
尿道カルンクル切除 1 0 0
精巣手術 22 13 13
高位精巣摘除術 5 3 6
両側精巣摘除術 13 3 0
陰嚢水腫・精液瘤 3 6 6
精索静脈瘤手術 1 0 0
精索捻転;精巣固定/精巣摘出 0 1/0 1/0
尿路結石手術 126(33) 136(39)  134(69)
TUL / TUCL 15/18(33) 36/3(39) 52/17(69)
ESWL 93 97 65
尿失禁・膀胱脱手術 1 0 0
小児手術 0 1 0
精巣固定術(総数) 0 1(2) 0
包茎手術 4 8 6
その他 18(11) 5(1) 9
手術術式総計 542 520 534
内視鏡手術/ロボット手術件数 (229)/(67)* (152)/(92)* (186)/(101)*
手術+ESWL 635 617 599

( ) 内視鏡手術件数
( )* ロボット手術件数

外来医師担当表

曜日 午前 午後
高山 達也
岡本 圭太
山本 真央
稲井 広夢
担当医
《予約のみ》内田 克紀
《予約のみ》
(第1.3.5週) 高山 達也
稲井 広夢
沼畑 大介
山本 真央
高山 達也
佐藤 祐也
《予約のみ》内田 克紀
担当医
稲井 広夢
岡本 圭太
佐藤 祐也
(第4週)高山 達也
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