循環器内科
不整脈疾患(アブレーション、ICD、CRT)
不整脈疾患:専門的な治療を行っています。
国際医療福祉大学病院循環器内科では2015年4月より頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療を開始し、2016年3月末までに54例のアブレーション治療・電気生理学的検査を行いました。 また、2015年11月には植え込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)の施設認定を取得致しました。
1.高周波アブレーションとは?
高周波をエネルギーソースを用いた高周波カテーテルアブレーションで、本邦では1994年に保険適応となりました。主に足の付け根の血管からカテーテルを心臓へ運び、カテーテル先端から出る高周波電流により3-5 mmの小さな治療域を作成し不整脈の根源を断つ治療です。解剖学的に治療ターゲットが明確な多くの頻脈性不整脈が安全に根治可能です。(図1)
また、3次元マッピングシステム(図2)の開発、カテーテル先端から水を流し血栓形成を予防するイリゲーション・カテーテル(図3)、先端の接触圧を測定し心損傷のリスクを低下させるカテーテル(図4)などデバイスの進歩により治療成績・安全面の向上が得られております。
2.植え込み型除細動器(ICD)とは?
心室細動や心室頻拍などいわゆる致死性不整脈が生じた場合、直流通電のみが唯一信頼できる治療手段です。
一度致死的不整脈を起こされた方、今後致死的不整脈が発生する可能性が高い方には、除細動器を左前胸部に植え込み、突然死を回避することが可能です。(図5)
3.心臓再同期療法(CRT)とは?
CRTの大きな目的は、左右から心室をペーシングし、心臓のポンプ機能を改善させることです。心臓内の収縮のタイミングのズレを左右からのペーシングにより補正することで、正常に近いポンプ機能をとり戻す治療法です。ICDと同様に、本体、リードの植込み手術が必要となります。大きな違いはありませんが、右房、右室のほかに、心臓の左右の収縮するタイミングのズレを補正するペーシングを行うために、冠状静脈内を通して左室側壁へもリードが留置されます。(図6)
下記のようなご病気のある方は、当院で専門的な診療を行っていますので、ぜひご相談ください。
- 上室性頻拍 (発作性心房細動、発作性上室性頻拍、発作性・持続性心房粗動、WPW症候群など)
- 頻発性心室性期外収縮
- 原因不明の動悸症状を有する患者さまで、①動悸症状でQOLの低下を認めるような方、 ②動悸症状が薬物でコントロール不良の方、 ③内服薬ではなく、不整脈の根治を希望されている方など
- 失神歴があり原因が不明であったり、致死性不整脈が疑われる方