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循環器内科

循環器内科・心臓外科合同抄読会 平成26年9月

平成26年9月12日(担当:高田)

Incidence of and Risk Factors for Sick Sinus Syndrome in the General Population.
J Am Coll Cardiol 2014;64:531–8.
University of Washington
Abstract
<背景>ペースメーカーの適応となる、洞不全症候群のイベント率とリスクについては未だ不明な部分が多い。
<目的>洞不全症候群の疫学を明らかにする。
<方法>ARIC(Atherosclerosis Risk In Communities) studyおよびCHS(Cardiovascular Health Study)の二つのコホートに登録された患者のうち、登録時にaf、ペースメーカーがなく、心拍数がβblockerが入っていない状態で50以上ある、白人か黒人である20,572人と対象とした。洞不全症候群の診断は退院記録におけるICD-9の病名とカルテの記録で判断した。
<結果>17年の観察期間で、291の洞不全イベントが観察された。イベントは年齢とともに増加し、黒人で41%リスクが少なかった。洞不全イベントと関連がみとめられたのは、BMI、身長、NT-proBNP、シスタチンC、QRSの幅、低い心拍数、高血圧、右脚ブロック、心血管疾患の既往であった。アメリカにおける洞不全症候群の年間予測発生数は、2012年で78,00、2060年で172,00であった。
<結論>黒人は白人に比較して洞不全症候群になるリスクが低かった。またいくつかの心血管リスク因子が洞不全症候群の発生と関連がみとめられた。年齢とともに洞不全症候群の発生率は増える傾向にあり、この先50年で人口の高齢化に伴って劇的に増加することが予想される。