PET-CTのご紹介

PET-CTのご紹介

PET-CTについて

ご紹介

2014年4月、県北地域で初めてとなるPET-CT検査をスタートしました。
今までこの検査を受けるためには、宇都宮市内まで行く必要がありましたが、当院で受けていただくことができるようになりました。

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PETとは

Positron Emission Tomography(陽電子断層撮影)の略で、身体を断層画像として捉え、病気の原因や病状を的確に診断する新しい検査法です。薬剤を体内に投与することにより、その薬剤が体内を移動して、心臓や脳などいろいろなところに集まる様子を撮影し、臓器の生理的・生化学的機能や悪性腫瘍などの診断を行うものです。

PET-CTとは

PET-CT装置は、病巣の有無を調べるためのPET(陽電子断層撮影)と、病巣場所を確認するためのCT(コンピュータ断層撮影)による2つの画像を、同一の体位で、ほぼ同時に撮影できる最新鋭装置です。
これにより、病気の有無・位置・がんの転移場所・大きさなどを、1回の全身の撮影で見つけることができ、検査・診断後の速やかな治療計画にも威力を発揮します。

当院に導入されたPET-CT装置について

2012年に発売された機種で、PET部分には超高感度型のBGO検出器を採用し、最新の画像再構成法(3D逐次近似法)を搭載しています。また、CT部分についても、被ばく低減の画像再構成システムが搭載されています。
この3つのシステムにより、安定した定量性と微小集積描出を実現し、低被曝の検査を提供します。

PET-CT検査の特長

  • 早期発見:見つけにくいとされていた1cm程度のがんも発見できます。
  • 全身を診る:1度の検査で全身を撮影できます。
  • 転移や再発の発見:予想外の部位へのがんの転移や再発を発見できます。
  • 良性・悪性の識別:腫瘍の良性・悪性識別の手がかりになります。
  • 負担の少ない検査:注射後、検査台に横になって撮影するだけです。

PET-CT検査の仕組み

がん細胞は、正常細胞に比べ約3~8倍のブドウ糖を細胞内に取り込む性質を持っています。その性質を利用し、ブドウ糖がより多く集まるところが全身のどこにあるかを撮影・画像化するのが、PET-CT検査です。

ブドウ糖とポジトロン製剤を結合させた薬剤(FDG)を静脈注射し、薬剤が全身で代謝される間の約1時間、安静にします。

体内の薬剤分布をPET-CTカメラで撮影・画像化し、がん細胞に取り込まれた薬剤の集まり具合で、がんの位置と進行度合いなどを調べます。

PET-CT検査の留意点

PET-CT検査では、微小ながんを発見できる画期的なものですが、決して万能ということではありません。臓器や部位によっては、見つけにくいがんもありますので、他の検査と組み合わせることで、より正確な診断ができるようになります。

発見しやすいがん
甲状腺がん、大腸がん、乳がん、すい臓がん、食道がん、卵巣がん、子宮体がん など

発見しにくいがん
膀胱がん、尿管がん、前立腺がん、腎がん、胃がん、肝臓がん など

検査の流れ(当日)

  • 絶食
    検査前4時間は絶食となります。
    糖分を含む飲み物(ジュースなど)も控えていただきます。

  • 受付
    検査の説明と、身長・体重の測定を行います。

  • 注射
    薬剤を静脈から注射します。血糖値もここで測定します。

  • 待機
    専用の個室で1時間安静にしていただきます。
    余分な薬剤を排泄するため、水を飲んでいただきます。

  • 撮影
    直前に排尿をしていただきます。
    撮影時間は約30分です。
    撮影は、早期像と後期像の計2回行います。

  • 終了

Q & A

検査にあたって注意することはありますか?
①PET-CT検査は、血糖値の影響を受けるため、検査4時間前から食事ならびに糖分の摂取を制限していただきます。また、前日・当日の激しい運動は避けてください。
②糖尿病の方の検査前5時間以内の経口糖尿病薬やインスリンの服用・投与は、原則中止していただきます。具体的な服用・投与方法は主治医と相談していただき、検査を受けてください。
③妊産婦や授乳中の方は、放射線検査は極力避けるべきですので、検査前には妊娠の可能性がないことをご確認ください。
保険は適用されますか?
PET-CT検査は、すべての疾患で保険適用が認められているとは限りません。検査の予約時に、主治医による保険診療・自費診療の判断が必要となります。下記の疾患に対しては保険適用となりますが、適用外になる場合は、検査にかかる費用が全額自己負担となりますのでご了承ください。

保険適用となる疾患
早期胃がんを除く悪性腫瘍(乳がん、肺がん、大腸がん、脳腫瘍、頭頸部がん、膵がん、転移性肝がん、子宮がん、卵巣がん、食道がん、原発不明がん、悪性リンパ腫、悪性黒色腫など)
※上記の疾患でも、さまざまな条件により保険適用とならない場合があります。
PET-CT検査の身体への影響はありますか?
検査に使うFDGという薬はブドウ糖製剤で、副作用は少なく安全と考えられています。また、1回の検査で約9.0mSv(ミリシーベルト)の放射線被ばくはありますが、胃のバリウムX線検査を2回受ける放射線量と同じです。PET-CT検査で放射線障害を引き起こす可能性はありませんし、将来がんになるという危険性もありません。
どんながんでも見つけることができますか?
広く有効性の認められているPET-CTですが、万能というわけではありません。検査で用いる薬剤(FDG)が尿となって体外に排出されるため、泌尿器系(腎臓・膀胱など)では病変が尿と区別できない場合があります。また、心臓や脳など、もともとブドウ糖を多く消費する部位も生理的なブドウ糖の取り込みのため、小病変は判別が難しくなります。こうした部位や、PET-CTでも発見できない場合をカバーするため、CTやMRI、超音波、生化学検査などを併用した総合的な検診を受けることで、より確実にがんを見つけることが可能になります。