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2022.10.14

那須シミュレーション医学センターで医学部生「縫合コンテスト」開催

国際医療福祉大学病院内にある那須シミュレーション医学センターでは10月5日(水)、医学部生「縫合コンテスト」が開催され、30名の医学部生がこれに参加して日々の修練の成果を競い合いました。

手術の際に用いられる身体の一部や医療機器を縛って固定する糸結びの技術である縫合は、医師が実際に患者様の手術のなかで何度も経験しながら、技術を取得していましたが、医療現場において患者様の安全性確保の観点からは決して十分とはいえませんでした。本学では医学部生の時期から当センターで人工皮膚を用いるなどして縫合手技を学ぶため、疑似体験を通して経験を積み上げることが可能となります。

今回のコンテストは学生を1~11までのグループに分けて実施し、学生たちは豚の皮を使って皮膚全層縫合と真皮埋没縫合の2種類の縫合に挑戦しました。その出来栄えを当院の外科系各診療科の医師11名が審査員となり確認し、採点基準に従って採点したうえで優劣を決めました。

その結果、100点満点中92点を獲得したチョ・ハヨンさんが優勝、89点の角南克樹(すなみ かつき)さんが準優勝、86点のエンフトヤ バットインフさんが第3位となり、この3名には記念の盾と賞状が授与されました。優勝者には病院長賞も授与されました。

参加した学生は皆、真剣な表情で縫合に取り組み、コンテストとしての縫合が終わった後は和やかな雰囲気の中で審査員の医師からのアドバイスに耳を傾けながら練習する姿も見えて、大変有意義な時間を過ごしていました。

学生からは「自分は外科医を目指しているので、将来のためにも今のうちに縫合の技術を高めたいと思っていた。今回とても良い機会をいただいた」「真皮縫合は針が刺さりづらくて緊張したが、コンテストの後には先生からアドバイスを受けることもできて、良い経験となった」「緊張したけど、楽しいイベントだった。」などの声が聞かれました。

鈴木病院長は「今は、シミュレーションで十分なトレーニングを積むことができる時代となった。本学はいち早くシミュレーション教育を導入しており、このシミュレーション医学センターを大いに活用し学んでいただきたい」と、学生たちにエールを送りました。

正確で確実な縫合技術を身に着けることは、医療現場の安全性向上につながることとなります。医学部生のときにしっかりと学び、身に着けた技術を競うコンテストは、医学教育において先進的なチャレンジといえます。

今回、このコンテストの開催場所となった国際医療福祉大学「那須シミュレーション医学センター」は、医療従事者を志す学生の教育実践の場として活用はもちろん、大学(実習教育)と病院(臨床)と地域をつなぐ医療従事者のスキルアップへの取り組みを支援するために2022年4月に開設しました。

当センターは多種多様な高精度シミュレータを設置しており、国際医療福祉大学医学部生や看護学生をはじめ、病院内の研修医、各科専門医、看護師、薬剤師、理学療法士等のリハビリテーションスタッフなどの医療関連職が、模擬的な環境のなかで、安全で質の高い医療を行うためのトレーニングに日々励んでいます。

縫合コンテストのルールを説明する外科の医師

コンテスト開催中、縫合技術を競う医学部生

コンテスト開催中、縫合技術を競う医学部生

コンテストが終了し医師と談笑する医学部生

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