診療科のご案内

循環器内科

循環器内科・心臓外科合同抄読会 平成26年

平成26年12月9日(担当:吉永)

Survival after intervention in patients with low gradient severe aortic stenosis and preserved left ventricular function J Thorac Cardiovasc Surg. 2014 Dec;148(6):2823-8. doi: 10.1016/j.jtcvs.2014.03.039.
弁口面積(AVA)が1cm2以下のsevere ASで、圧較差(PG)は40mmHg以下、EFは50%以上と保たれている患者のAVR後の生存を検証。
結果は、患者数は、416人(2004年~2012年)。平均年齢は、76±14歳、42%が男性。
416人中、97人がintervention(AVR 91人、TAVI 6人)を受けていた。フォローの期間は平均28か月で、143人(32%)の患者が死亡。Intervention群の30日以内の手術死亡率は16%(15人)だった。
生存の累積確率は、Intervention群が受けなかった群(319人)より優位に高かった。多変量解析では、①AVRは死亡のリスクを49%減少させる。②80歳以上の高齢、0.8 cm2以下のAVAは、死亡のリスクを増加させる。という結果であった。
サブグループ解析では、SVIが35ml/m²以下のLow flow群と35ml/m²以上のNormal flow群においてもIntervention群が累積生存が高かった。②80歳以下の群と80歳以上の群でもInterventionを受けた群が、累積生存が高かった。③AVAが0.8cm²以下の群と0.8~1cm²の群でも、Intervention群が、累積生存が高かった。
AVRは、AVAが1cm²以下のsevere ASで、PGは40mmHg以下、EFは50%以上と保たれている患者の生存を改善させるという結果であった。

平成26年11月25日(担当:武田)

Fractional Flow Reserve-Guided PCI for Stable Coronary Artery Disease N Engl J Med 2014; 371:1208-1217September 25, 2014
FAME2試験は安定冠動脈疾患の患者において、FFRガイド下PCI+薬物療法vs薬物療法を比較した非盲検無作為化試験である。FFRを測定し0.80以下の場合、被験者はFFRガイド下PCI+薬物療法を行う群と薬物療法のみを行う群に無作為に割り付けられた。FFRが0.80を超える被験者は薬物療法のみを行った。
結果、PCI群に447例、薬物療法群に441例が割り付けられ、2年間の観察期間中に、PCI群では緊急血行再建術が有意に少なかった。全死亡及び心筋梗塞発生率には有意差を認めなかった。
結論として、安定冠動脈疾患患者では、FFRガイド下PCIによって、薬物治療単独と比較して転帰が改善した。

平成26年11月18日(担当:柘植)

Kidney Function After Off-Pump or On-Pump Coronary Artery Bypass Graft Surgery A Randomized Clinical Trial JAMA. 2014;311(21):2191-2198. doi:10.1001/jama.2014.4952
<目的>オフポンプとオンポンプCABG群の、急性腎障害の発生と、1年後の腎機能を比較検討する。
<方法>2010年から2011年に19か国79施設でCABGを受けた4752人を、オフポンプとオンポンプにランダムに割りつけたCORONARY試験の対象患者のうち、16か国63施設の2932人が解析対象。
<アウトカム>術後30日での急性腎障害(Cr値のランダム化前からの50%以上の上昇)の発生と、1年後の腎機能低下(eGFRのランダム化前からの20%以上の低下)。
<結果>オフポンプ群では術後30日での急性腎障害の発生リスクが低下した。相対リスク0.83(P=0.01)
1年後の腎機能低下に関しては有意差なしという結果だった。相対リスク1.10(P=0.23)
<結論>オフポンプは術後の急性腎障害の発生リスクを低下させるが、1年後の腎機能に対しては有利に働かない。

平成26年9月12日(担当:高田)

Incidence of and Risk Factors for Sick Sinus Syndrome in the General Population.
J Am Coll Cardiol 2014;64:531–8.
University of Washington
Abstract
<背景>ペースメーカーの適応となる、洞不全症候群のイベント率とリスクについては未だ不明な部分が多い。
<目的>洞不全症候群の疫学を明らかにする。
<方法>ARIC(Atherosclerosis Risk In Communities) studyおよびCHS(Cardiovascular Health Study)の二つのコホートに登録された患者のうち、登録時にaf、ペースメーカーがなく、心拍数がβblockerが入っていない状態で50以上ある、白人か黒人である20,572人と対象とした。洞不全症候群の診断は退院記録におけるICD-9の病名とカルテの記録で判断した。
<結果>17年の観察期間で、291の洞不全イベントが観察された。イベントは年齢とともに増加し、黒人で41%リスクが少なかった。洞不全イベントと関連がみとめられたのは、BMI、身長、NT-proBNP、シスタチンC、QRSの幅、低い心拍数、高血圧、右脚ブロック、心血管疾患の既往であった。アメリカにおける洞不全症候群の年間予測発生数は、2012年で78,00、2060年で172,00であった。
<結論>黒人は白人に比較して洞不全症候群になるリスクが低かった。またいくつかの心血管リスク因子が洞不全症候群の発生と関連がみとめられた。年齢とともに洞不全症候群の発生率は増える傾向にあり、この先50年で人口の高齢化に伴って劇的に増加することが予想される。

平成26年8月6日(担当:大槻)

Stenting and Medical Therapy for Atherosclerotic Renal-Artery Stenosis.
N Engl J Med. 2013 Nov 18
<背景>動脈硬化性腎動脈狭窄は高齢者によく見かける疾患である。腎動脈へのステント留置の利点を示していない2つの無作為試験があるにもかかわらず、主要な腎、冠血管イベントを予防するためのステント留置術の有用性は定まっていない。
<方法>動脈硬化性腎動脈狭窄(血管造影で80%以上狭若しくは60から80%未満狭窄で圧格差20mmHg以上)があり、高血圧(降圧薬を2剤以上服用しておりかつ収縮期血圧155mmHg以上)もしくは慢性腎臓病(eGFR 60未満)の947人を無作為に割り付けた。
参加者は心血管・腎疾患イベント発生をエンドポイントとした。(心血管・腎イベントによる死亡、心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全による入院、腎機能悪化、透析導入)
<結果>フォローアップ期間の中央値は43か月(四分位範囲は31から55か月)、主要複合エンドポイント発生率は薬物療法とステント留置術をうけた参加者と、薬物療法のみの参加者では有意差は認められなかった。(薬物療法とステント留置術で35.1%、薬物療法のみで35.8%、ハザード比0.94。95%信頼区間0.76-1.17、p=0.58)
また、心血管・腎イベントによる死亡、心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全による入院、透析導入にも有意差は認められなかった。
フォロー期間で、薬物療法とステント留置を行った群で収縮期血圧に有意差が認められた。(-2.3mmHg、95%信頼区間-4.4~-0.2、P=0.03)
<結論>動脈硬化性腎動脈狭窄症があり、高血圧ないしは慢性腎臓病に罹患した参加者に、薬物療法と腎動脈ステント留置した参加者と薬物療法のみの参加者に有意差は認められなかった。

平成26年7月30日(担当:菅野)

Association of Nut Consumption with Total and Cause-Specific Mortality.
N Engl J Med 2013;369:2001-11.
<背景>ナッツの摂取が多いほど、心血管疾患や2型糖尿病などの、主要な慢性疾患のリスクは低くなる。しかし、ナッツの摂取と死亡との関連は明らかにされていない。
<方法>看護師健康調査の女性 76,464 人と、医療従事者追跡調査の男性 42,498 人を対象として、ナッツの摂取とその後の全死亡および死因別死亡との関連を調査した。
<結果>まず、ナッツ摂取を全くしない群、少なくとも週1回、週1回、週2-4回、週5-6回、週7回以上の群に分けた。1回のナッツは28gとした。3,038,853人年の追跡において、女性16,200人、男性11,229人が死亡した。他の既知の危険因子、または疑われる危険因子について補正後、男女両方においてナッツの摂取と全死亡とのあいだに負の相関関係があることが認められた。プール解析によるナッツを摂取した参加者における摂取しなかった参加者と比較した死亡の多変量ハザード比は、年齢・人種・BMI・身体活動・喫煙を考慮して分析しても、摂取が週1回未満で0.93(95%信頼区間[CI] 0.90~0.96)、週1回で 0.89(95% CI 0.86~0.93)、週2~4回で0.87(95% CI 0.83~0.90)、週5回または6回で0.85(95% CI 0.79~0.91)、週7回以上で0.80(95% CI 0.73~0.86)であった(傾向性のP<0.001)。また、男女ともに同じようなパターンを示した。また、癌、心血管疾患、呼吸器疾患による死亡とのあいだにも有意な負の相関関係が認められた。
<結論>看護師、およびその他の医療従事者から成る独立した2つの大規模コホートにおいて、ナッツ摂取の頻度に死亡のその他の予測因子とは独立して、全死亡および死因別死亡との負の相関関係が認められた。

平成26年7月23日(担当:兼光)

Atrial Fibrillation in Patients with Cryptogenic Stroke N Engl J Med. 2014 Jun 26;370(26):2467-77.
<背景>心房細動は脳卒中再発の主要な予防可能な原因であるため、早期発見、治療が重要である。しかし、発作性心房細動は虚血性脳卒中やTIA患者の一般的対応では、多くの場合に検出されず、治療も行われない。
<方法>55歳以上で、6ヶ月以内に発症した原因不明の虚血性脳卒中、TIA患者572人を対象として、無作為に30日間のイベント記録型心電図モニター装着群(介入群)と24時間心電図モニター群(対照群)に割り付けた。
主要転帰は割り付け後90日以内に新たに検出した30秒以上持続する心房細動とした。二次転帰は2.5分以上持続する心房細動のエピソード発生と90日後における抗凝固薬の使用状況とした。
<結果>
1)30秒以上持続するAfの検出 45/280(16.1%)vs. 9/277(3.2%)
2)2.5分以上持続するAfの検出 28/284(9.9%)vs. 7/277(2.5%)
3)(発症後)90日までに経口抗凝固薬を処方された患者数52/280(18.6%) vs. 31/279(11.1%)
<結論>55歳以上の最近起こった原因不明の脳卒中、TIA患者には発作性心房細動がよく起こっていた。30日間の非侵襲的自由行動下心電図モニターは、通常診療における短期間の心電図モニターと比較すると、心房細動の検出率を5倍以上に改善し、抗凝固療法の実施率をほぼ2倍にした。

平成26年7月16日(担当:國友)

Association between prophylactic implantable cardioverter-defibrillators and survival in patients with left ventricular ejection fraction between 30% and 35%.
JAMA 2014; 311: 2209-2215
<背景>左室駆出率(EF)の低下した心不全患者では突然死が問題となる。多くの無作為臨床試験において、心不全入院患者に対する植込み型除細動器(ICD)の予防的移植の有用性が示されてきており、2013年のACC/AHAガイドラインにおいてもICD移植が推奨されている。しかし、多くの無作為臨床試験がEF35%以下を対象にしているにもかかわらず、実際解析した患者のEF中央値は30%よりも低く、EFが30~35%の患者における有用性は不透明である。
<目的>現在、米国ではEFが30~35%の心不全患者に対しICDの予防的移植が多く施行されており、その妥当性について検証する。
<方法>National Cardiovascular Data Registry(NCDR)のICD移植を受けた患者と、Get With The Guidelines-Heart Failure(GWTG-HF)データベースに登録されたICD移植を受けなかった患者を、後ろ向きコホート研究デザインで予後の比較を行った。対象はEF30~35%とし、EF30%未満の患者についても同様に解析を行った。背景因子の違いは、Rosenbaum and Rubin法にてマッチングさせ、解析を行った。
<結果>EF30-35%のマッチング患者数は、ICD移植群が408例、ICD非移植群が408例であった。3年死亡率はICD移植群が47.1%、ICD非移植群が58.0%で、ハザード比は0.83(0.69-0.99)と、ICD移植により死亡率の有意な改善が認められた。EF 30%未満のマッチング患者数は、ICD移植群が1,088例、ICD非移植群が1,088例であった。3年死亡率はICD移植群が46.1%、ICD非移植群が57.0%で、ハザード比は0.72(0.65-0.81)と、これもICD移植により死亡率の有意な改善が認められた。ICD移植群ではEFによる死亡率の差は認められなかった。
<結論>EFが30~35%の心不全患者もEF30%未満の患者同様に、ICD移植によって予後が有意に改善された。ガイドラインにおけるEF30~35%の心不全患者へのICD移植は妥当性がある。

平成26年7月9日(担当:吉永)

Surgery for infective endocarditis complicated by cerebral embolism: A consecutive series of 375 patients J Thorac Cardiovasc Surg. 2014 Jun;147(6):1837-44. doi:
10.1016/j.jtcvs.2013.10.076.
脳塞栓を合併した感染性心内膜炎(IE)患者375例に対する手術について検証した試験。
IEのため準緊急もしくは緊急手術を受けた患者で、無症候性の脳塞栓、症候性の脳塞栓がそれぞれ予後にどのように影響するか検証するのが目的。
結果は、無症候性の脳塞栓もしくはTIAの患者が135例、症候性の脳塞栓の患者は240例であった。無症候性脳塞栓の患者で、大動脈弁位のIEの割合は37%、僧帽弁位のIEの割合は34%と同等であった。無症候性の患者と症候性の患者を比較すると、無症候性患者18例、症候性患者12例が、術後に不全片麻痺になった。無症候性患者3例、症候性患者4例が、術後に重症の脳出血を合併した。
病院死亡は、無症候性が21.4%、症候性が19.6%と有意差なく、5年生存率も、10年生存率も、無症候性と症候性で有意差は認められなかった。死亡の独立危険因子は、手術時の年齢、COPD、術前にカテコラミン投与を必要としたもの、透析、人工心肺時間であった。無症候性脳塞栓も症候性脳塞栓と同様にIEの術後生存を減少させるという報告であった。

平成26年07月02日(担当:武田)

Anti-PCSK9 Antibody Effectively Lowers
Cholesterol in Patients With Statin Intolerance The GAUSS-2 Randomized, Placebo-Controlled Phase 3 Clinical Trial of Evolocumab
J Am Coll Cardiol 2014;63:2541-8
<目的>筋肉痛などの副作用でスタチン内服が困難な高脂血症患者に対し、PCSK9のモノクローナル抗体であるevolocumabの皮下注投与の有効性と安全性を、エゼチミブ内服治療と比較した。
<背景と方法>スタチン投与患者の10-20%に筋肉痛などの副作用が生じると報告されている。そのような患者群に対し、ヒトproprotein convertase subtilisin/kexin type 9 (PCSK9)に対するモノクローナル抗体であるevolocumabの投与は、副作用が少なく、著明にLDLコレステロールを低下させることがこれまで報告されている。
本GAUSS-2試験は、evolocumab投与群(140mg/2週ごと皮下注、もしくは420mg/月1回皮下注。それぞれエゼチミブのプラセボ毎日内服)と、エゼチミブ投与群(10mg/日内服とプラセボ2週ごと皮下注、もしくは10mg/日内服とプラセボ月1回皮下注)を4群にランダムに割付け、LDLコレステロール値の変化を一時エンドポイントとした、ランダム化二重盲検試験である。
<結果>307例の患者を4群に割り付けた。Evolocumab投与群ではLDLコレステロールは53~56%低下し、エゼチミブ投与群では16~19%の低下であった。Evolocumab投与群はエゼチミブ投与群と比し、37~39%、さらにLDLコレステロールを低下させた(P<0.001)。筋肉痛などの副作用に関しては両軍で差を認めなかった。
<結論>Evolocumabの投与は、今まで必要とされながらも副作用のためスタチン内服が困難であったハイリスク高脂血症症例において、有効かつ安全に使用できる。

平成26年06月18日(担当:柘植)

Mitral-valve repair versus replacement for severe ischemic mitral regurgitation.
N Engl J Med. 2014 Jan 2;370(1):23-32.
<目的>重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する弁形成術と弁置換術の有効性の比較。
<方法>重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症の患者251人を,僧帽弁形成術(MVP)または腱索温存僧帽弁置換術(MVR)に、無作為に割り付けた。
プライマリエンドポイント:ランダム化から12ヶ月後のリバースリモデリングの程度(LVESVIで評価)。
セカンダリエンドポイント:主要な心血管系イベントと脳血管イベントの複合発生率、QOL。
<結果>LVESVIの平均変化(MVP vs. MVR)-6.6ml/m2 vs. -6.8ml/m2で、有意差なし。MVP群はMRの再発率が高いが、心血管系イベントと脳血管イベントの複合発生率,QOLに有意差が出なかった。
<結論>MVPと腱索温存MVRで、12ヶ月でのリバースリモデリングと心血管、脳血管イベント発生率で有意差が認められなかった。MVRはMRの再発が少なく、これが長期予後に影響をおよぼす可能性があるが、人工弁を使うことによる合併症も考慮する必要があり、さらなる追跡が必要。

平成26年05月28日(担当:高田)

Long-term outcomes and cardiac surgery in critically ill patients with infective endocarditis
European Heart Journal (2014) 35, 1195–1204
<目的>左心系の感染性心内膜炎(IE)の長期予後と手術成績を調査すること。
<方法と結果>2007年4月1日から2008年10月1日までに、フランスの33のICUに入院した198のIE患者のうち、69%にあたる137人が中央値59.5ヶ月の観察期間中に死亡した。死亡と関連した因子は、入院時のSOFA score (Sepsis-related Organ-Failure Assessment score)、人工弁のIE、vegetation size>=15mm、そして手術の有無であった。52%にあたる103人が中央値6日後に手術を受けていた。手術を受けることへの独立規定因子は、年齢60以下、心不全、心源性ショック、septicショック、免疫力低下、そしてICUに入る前か入室後24時間以内での早期診断であった。手術時に計算されたSOFA scoreのみが長期予後と相関がみとめられた。手術の時期は、手術後のout comeと関連がみとめられなかった。158人に理屈上手術のindicationがあったが、このうち手術されなかった58人の死亡率は95%であった。
<結論>重症IEの予後は依然として不良である。死亡と関連していたのは、多臓器不全、人工弁のIE、vegetationのサイズ、そして手術であった。手術適応である患者のうち1/3が手術を受けておらず、これらの患者では高い死亡率であった。手術時の多臓器不全が手術後の予後予測因子であったが、手術までの期間は予測因子とならなかった。

平成26年05月21日(担当:大槻)

Anticoagulation and survival in Pulmonary Artery Hypertension Result from the Comparative, Prospective Registry of Newly Initiated Therapies for Pulmonary Hypertension (COMPERA)
Circulation.2014;129:57-65
<背景>約30年間、抗凝固療法は特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)治療に推奨されてきた。しかし、これを支持するエビデンスは限られている。現在においてもIPAH患者に抗凝固療法をすべきかどうか不明瞭であり、また、他の肺動脈性肺高血圧症(PAH)に抗凝固療法を拡大させるかどうかも不明瞭なままである。
<方法・結果>COMPERAを分析して、IPAH患者と他のPAH患者を抗凝固療法で比較した。新規にPAHと診断された1283症例をサンプリングした。抗凝固療法はIPAH患者800人の66%に、ほかのPAH患者483人の43%に用いられた。
IPAHにおいては、未抗凝固療法群に比べて、抗凝固療法群は病態がより重篤であったにもかかわらず3年生存率は有意であった。3年生存率の差異は、336人のIPAH患者におけるマッチドペア分析で統計学的に有意(P=0.017)であった。IPAH患者生存率の抗凝固療法導入による有用性は多変量マックス回帰分析で確証された。(危険率0.75、95%信頼区間0.66-0.94)一方で、他のPAH患者に抗凝固療法導入することによる有用性は認められなかった。
<結論>抗凝固療法はIPAH患者の生存率を改善させ、現在推奨されている治療法を支持する結果であった。他のPAHに対しては結論がでなかった。

平成26年05月07日(担当:上小牧)

Spironolactone for Heart Failure with Preserved Ejection Fraction
N Engl J Med 2014; 370:1383-1392April 10, 2014 DOI: 10.1056/NEJMoa1313731
LVEF40%以下の心不全患者に対する内科的治療の有用性は確立されているが、LVEFの維持された心不全患者に対する効果は実証されていない。小さな機構研究では鉱質コルチコイド受容体阻害剤がLVEFの維持された心不全患者の拡張能を改善したという報告があるが、臨床結果に対する効果は厳密には試験されていない。そのためTreatment of Preserved Cardiac Function Heart Failure with an Aldosterone Antagonist(TOPCAT)trialが以下の要領で行われた。
3445名のLVEF45%以上に維持された症候性心不全患者を登録し、スピロノラクトン(15~45mg/日)と偽薬のいずれかを内服させ、心血管死、心停止蘇生、心不全による入院を主要評価項目とした無作為二重盲検試験を行った。平均追跡期間は3.3年、主要評価項目(心血管死、心停止蘇生、心不全での入院)発生率はスピロノラクトン群18.6%、プラセボ群20.4%だったが(ハザード比0.89、P=0.14)、有意に低下したのは心不全による入院発生率(ハザード比0.83、P=0.04)のみだった。
以上より、LVEFの維持された心不全患者においては、スピロノラクトンは心血管死、心停止蘇生、心不全による入院を主要評価項目とした有害事象を減少させなかったと結論された。

平成26年04月30日(担当:菅野)

Comparison of Dopamine and Norepinephrine in the Treatment of Shock
N Engl J Med 2010;362:779-89.
ドパミンとノルエピネフリンでは、ショック治療における第一選択の昇圧薬としてどちらに優位性があるかの検討。2003年12月19日から2007年10月6日までの間に多施設共同無作為化試験において、ショック状態の患者を、血圧の回復と維持のための第一選択の昇圧薬として、ドパミンを投与する群とノルエピネフリンを投与する群のいずれかに割り付けた。主要転帰は無作為化後28日の死亡率とした。ショックに対し、第一選択の昇圧薬としてドパミンを投与した患者とノルエピネフリンを投与した患者とで、死亡率に有意差はみられなかったが、ドパミン投与には不整脈の増加との関連が認められた。また、心原性ショックはドパミン投与群で多いという結果が得られた。

平成26年04月23日(担当:田川)

Effectiveness of combination therapy with statin and another lipid-modifying
agent compared with intensified statin monotherapy: a systematic review
Annals of Internal Medicine 2014; 160(7): 468-476.
高強度のスタチンと、スタチン強度を下げて他の脂質降下剤を用いた多剤併用療法の効果を比較するシステマティックレビュー。
<背景>AHAガイドラインでは、以前アテローム性動脈硬化症に対してファーストラインは高強度スタチンであったが、横紋筋融解症など、副作用も増えたのが問題となった。結果2013年AHAガイドラインでは、適度な併用療法を推奨したが、併用療法を支持するデータがなかった。そのため、システマティックレビューを行い、併用療法とスタチン単独療法によるリスクとベネフィットの比較をした。
<目的>アテローム性動脈硬化症の成人に対して、高強度スタチン製剤と低強度スタチン+多剤併用療法の臨床的効果を比較する。
<結果>36のトライアルが含まれた。ハイリスクな高脂血症患者に対して、低強度スタチンと胆汁封鎖薬(陰イオン交換樹脂)の併用療法は、中強度スタチン単独療法よりもLDL-cholを14%程多く減少させた。また、アテローム性動脈硬化症と糖尿病の患者さんそれぞれに対して、中強度スタチンとエゼチミブの併用療法は、高強度スタチン製剤単独療法よりも、5-15%また、3-21%程減少させた。
<結論>スタチンに反応が悪い患者に対して、スタチンの強度を増すのではなく、低強度のスタチンと(胆汁封鎖薬やエゼチミブ)多剤併用療法を考慮していくことが望ましい。しかし、今回の多くの試験は短期間なので、今後長期間での試験が求められる。

平成26年04月16日(担当:兼光)

A Controlled Trial of Renal Denervation for Resistant Hypertension
N Engl J Med 2014; 370:1393-1401
<背景>これまでの非盲検試験では、カテーテル腎動脈除神経術は治療抵抗性高血圧患者の血圧を下げることが示唆されていた。
<方法>前向き単盲検無作為化シャム対照試験を行った。重症治療抵抗性高血圧患者を2:1の割合で、腎動脈除神経群(RD群)、腎動脈造影群(RA群)に割り付けた。患者は、無作為化以前に利尿薬を含む、少なくとも三種類の降圧薬を投与されていた(最大耐容量投与あり)。主要有効性エンドポイントは6ヶ月後の診察室血圧(OBP)での収縮期血圧の変化、副次有効性エンドポイントは24時間血圧測定(ABPM)における収縮期血圧の変化とした。主要安全性エンドポイントは一ヶ月後の死亡、末期腎臓病、標的臓器障害を生じた塞栓イベント、腎血管性合併症、高血圧クリーゼの発生と6ヶ月後の70%以上の新規腎動脈狭窄の発生とした。
<結果>535人の患者をランダム化。
#1 6ヶ月後のOBPの変化
RD群:-14.13+-23.93 mmHg
RA群:-11.74+-25.94 mmHg
いずれもベースラインに比して有意に低下した。両群間で-2.39 mmHgの差を認めたが有意ではなかった。
#2 6か月後のABPMの変化
RD群: -6.75+-15.11 mmHg
RA群: -4.79+-17.25 mmHg
両群間で-1.96 mmHgの差を認めたが有意でなかった。
主要安全性エンドポイントはRD群、RA群で有意差はなかった。
<結果>この試験では、RD群はRA群に比して有意な6か月後収縮期血圧の低下を示さなかった。

平成26年4月9日(担当:國友)

Should surgical ablation for atrial fibrillation be performed in patients with a significantly enlarged left atrium?
J Thorac Cardiovasc Surg. 2014; 147: 236-241
<背景・目的>心房細動に対する外科的アブレーションでは、左房サイズが大きい場合は成功率が低いとされ敬遠されがちであるが、サイズと成功率についての明確な指標を示したデータはない。左房サイズを含めCox-Maze手術の成否を左右する因子を検討する。
<方法>左房縫縮を行わずに外科的アブレーションを施行した373例が対象。左房径5.5cm以下のsmall LA群と5.5cmを超えるlarge LA群の2群に分け、1年後および2年後におけるAF再発について解析した。左房径とAF再発との単変量解析、および左房径を含むその他の因子(年齢、性別、DM、EF、PVD、HT、Euroscore、心房細動期間、Cryoか高周波か、full Mazeか否か、同時手術手技数)とAF再発との多変量解析を行った。
<結果>small LA群とlarge LA群において遠隔期のワーファリン使用率および脳塞栓症発生率に差はなかった。単変量解析では左房径サイズの増大に伴いAF再発率は有意に増加した(OR1.43、左房径1cm増大あたり)が、多変量解析では左房サイズはAF再発の予測因子とはならず、心房細動期間と同時手術手技数のみが予測因子となった。
<結論>心房細動に対する外科的アブレーションの適応を考える際に、左房サイズが大きいからといって回避する理由にはならないであろう。

平成26年4月2日(担当:吉永)

Myocardial damage influences short- and mid-term survival after valve surgery: A prospective multicenter study
J Thorac Cardiovasc Surg. 2013 Nov 27. pii: S0022-5223(13)01291-9. doi: 10.1016/j.jtcvs.2013.10.061.
単独大動脈弁手術(AVS)、または、単独僧帽弁手術(MVS)を受けた患者の心筋ダメージが、死亡率や合併症にどう影響しているのか検証した試験。Primary endpointは入院死亡。Secondary endpointは術後の合併症と術後3か月以内の死亡。
AVS、または、MVSを受けた患者のトロポニンIを術直後と手術翌日の朝に測定。トロポニンIのピーク値をパーセンタイルでランク付けして解析。
結果は、患者数は965人。年齢は67±12歳、45.5%が女性。AVSを受けた患者は579人。MVSを受けた患者は386人。トロポニンIのピーク値はMVS群がAVS群より優位に高かった。トロポニンIのピーク値は、両群間で、死亡者が生存者より優位に高かった。
活動期の感染性心内膜炎、NYHA3-4、EF30%以下、人工心肺時間が病院死亡と関連があった。さらにトロポニンIが高い群ほど、その関連が明確になった。トロポニンIの上昇は、術後死亡と合併症の独立危険因子であった。

平成26年03月05日(担当:武田)

A Randomized Trial of Genotype-Guided Dosing of Warfarin N Engl J Med 2013; 369:2294-2303December 12, 2013
<背景>ワーファリンの至適用量を治療開始前に予測することは困難である。近年ワーファリンやビタミンK代謝に関わる遺伝子の遺伝型に基づいた投与量決定が有用である可能性が示唆されている。
<方法>心房細動及び深部静脈血栓の患者を対象として、薬理遺伝学的投与法群と通常通りの投与法群の多施設共同無作為化比較対照試験を行った。薬理遺伝学的投与法群ではCYP2C9*2、CYP2C9*3、VKORC1の遺伝子型を決定し、遺伝学に基づいたレジメンで投与した。対照群(通常投与法群)では一定のレジメンを使用し投与を行った。
<結果>薬理遺伝学的投与法群ではPT-INRが治療域(2.0-3.0)内に収まっている時間が平均67.4%であり、通常投与法群の60.3%を有意に上回っていた。また、薬理遺伝学的投与法群ではINR4.0以上の発生率が有意に低く、INRが治療域に達するまでの時間が有意に短かった。
<結論>ワーファリンの投与量決定の際、薬理遺伝学的投与法は、現在行われている標準投与法に比し、有用である可能性がある。

平成26年2月26日(担当:柘植)

Long-term outcomes after elective isolated mechanical aortic valve replacement in young adults J Thorac Cardiovasc Surg 2013;1-6
65歳未満の患者に機械弁で、待機的にAVRのみを行った症例の長期成績の検討。
1997年~2006年にモントリオールの1施設でAVRが行われた65歳未満の全患者から、緊急症例や、複合手術症例、過去に心臓外科手術を受けた患者が除外され、解析対象は450人。
30日死亡率は1.1%(MI2例、心内膜炎1例、不整脈1例、大量出血1例)。術後後期の死亡は13%(バルブ関連死が53%、心原性17%、非心原性30%)。長期生存率は、1年98%、5年95%、10年87%で、年齢性別調整したケベック州の住人の生存率(1年99.6%、5年97.6%、10年94.2%)と比較して低い結果となった。また、37人でバルブ機能不全がおき、26人で再弁置換が行われた。
<まとめ>一般住民と比較して、長期生命予後は不良で、死因は心臓死かバルブ関連死が多かった。確率は低いが、機械弁でも再弁置換を要する弁機能不全のリスクはあり、再手術のリスクや抗凝固療法関連のリスクを考慮したうえで機械弁を選択する必要がある。

平成26年1月29日(担当:塙)

Intra-aortic balloon counterpulsation in acute myocardial
infarction complicated by cardiogenic shock (IABP-SHOCK II):
fi nal 12 month results of a randomised, open-label trial
Lancet 2013;382:1638–45
<背景>最新の国際ガイドラインでは、レジストリデータに基づき心原性ショックを伴う急性心筋梗塞へのIABPの推奨ランクは引き下げられている。すでに最大のtrialであるIABP-SHOCK IIの結果として、心原性ショックを伴う急性心筋梗塞にはIABPによる30日死亡率の低下が認められないことが示されていた。しかし心原性ショックの先行研究において、延長フォローアップにおいてのみ死亡率改善の効果が示されたことがあり、著者らは本試験についても6、12ヵ月の評価を行った。
<方法>IABP-SHOCK2 trialは無作為オープンラベル多施設で行われた。心原性ショックの合併症を有する急性心筋梗塞患者で早期血行再建術と適切な薬物療法が予定されている患者を、中央のweb systemを通して、無作為に、IABP使用群と(301例)、対照群(299例)にわけた。治療効果に関する主要エンドポイントは30日全死因死亡率だったが、加えて、6ヵ月後、12ヵ月後フォローアップを行い、生存者のQOLについてEuroqol-5D質問票を用いて評価した。ブラインドされた中央委員会が臨床的転帰を判定した。患者や担当医師は割り当てをブラインドされなかった。解析はintention to treatで行われた。
<結果>2009年6月16日~2012年3月3日の間に、600人の患者がIABP群(n=301),コントロール群(n=299)に分けられた。
12ヵ月の追跡を完了した595例(99%)のうち、死亡はIABP群52%(155例)、対照群51%(152例)で、両群に有意差はなかった(相対リスク比[RR]:1.01、95%信頼区間[CI]:0.86~1.18、p=0.91)。
再梗塞(RR:2.60、95%CI:0.95~7.10、p=0.05)、血行再建術(同:0.91、0.58~1.41、p=0.77)、脳卒中(同:1.50、0.25~8.84、p=1.00)のいずれについても、両群間に有意な差はなかった。
また、生存者に対して行われた、運動能、セルフケア、日常の活動度、痛み・苦痛、不安またはうつ症状などを含むQOL評価も両群で有意差はなかった。
<結論>心原性ショックを伴う心筋梗塞で早期の血行再建を行った患者では、IABPは12ヵ月の全死亡を減少させなかった。

平成26年1月22日(担当:上小牧)

A randomized trial to assess catheter ablation versus rate control in the management of persistent atrial fibrillation in heart failure.
J Am Coll Cardiol. 2013 May 7;61(18):1894-903.
Afを合併した心不全に対するアブレーションの効果は不明であった。この論文では、NYHA-IIIの心不全を合併したAf患者をアブレーション群とrate control群にランダムに振り分け、治療施行または開始後12ヶ月間の最大酸素消費量、ミネスタスコア、BNP、6分間歩行距離、LVEFを比較したものである。
主要評価項目の最大酸素消費量は、3ヶ月後ではその差は明らかではなかったが、12ヶ月後ではレートコントロール群と比較し、アブレーション群では有意に改善した(改善度+3.07ml/kg/min, 95%信頼区間[95%CI]: 0.56-5.59、P=0.018)。副次評価項目はアブレーション群ではミネソタスコア(P=0.019)、BNP(P=0.045)は有意に改善し、6分間歩行(P=0.095)、EF(P=0.055)にも改善の傾向がみられた。以上よりAf合併心不全に対するアブレーションとレートコントロールの運動耐容能に対する効果の比較試験では、アブレーション群で運動耐容能、自覚症状、神経体液因子を有意に改善したことが示された。

平成26年1月15日(担当:菅野)

The Clinical Outcomes of Percutaneous Coronary Intervention Performed Without Pre-Procedural Aspirin
Journal of the American College of Cardiology Vol.62,No.22,2013:2083–9
アスピリンの前投与を受けずに実施されたPCIの割合および転帰を検討。2010年1月から2011年12月にかけてミシガン州の44病院で施行されたPCIのうち、アスピリン前投与が行われずにPCIを施行した件数と患者転帰を、傾向スコアマッチングによる多変量解析を用いて検討した。
エンドポイントは院内死亡と輸血が必要になった時とした。結果は、本研究の対象者65,175名のうち7.1%にあたる4,640名がPCIを施行する前の24時間以内にアスピリン前投与なしでPCIを受けていた。傾向スコアマッチングによる解析で、2群を比較したところ、前投与のない群は死亡、脳卒中が有意に多いという結果が出た。一方、輸血の必要性に関しては有意な差はなかった。この研究結果は、PCI前にアスピリンの使用をすることに焦点を当て、その必要性を支持するものであった。

平成26年1月8日(担当:田川)

Novel Criteria of Urine Osmolality Effectively Predict Response to
Tolvaptan in Decompensated Heart Failure Patients
Circ J 2013; 77: 397-404
尿浸透圧は、非代償性心不全患者のトルバプタンに対する反応性を効果的に予知する
<背景>バソプレシン2受容体のアンタゴニストであるtolvaptanは利尿薬としては独特な特性を持つが、この薬に対する反応性は予知できない。
<方法>対象は、非代償性うっ血性心不全での61人でTLV投与量は1日3.75−15mgの患者。期間は2011年2月から2012年1月の東大病院。
すべての患者はNYHAIII以上で、ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬投与していても脚の浮腫、肺水腫と頸静脈怒張を認める人たち。除外したものとして、IABP,人口呼吸器装着、補助人工心臓が使われている症例、循環血液量が少ないと予想される者、弁の狭小化を認めるもの、30日以内の急性冠症候群、明らかな感染症のあるものと、透析をしているものとした。TLV投与量はこのstudyの期間中変更しなかった。
まず、TLV投与前に尿浸透圧を測定し、TLV投与後4−6時間で再度尿浸透圧を測定し、baseの浸透圧からの減量率で計算。TLVのresponderとnon-responderはTLV投与後24時間後の尿量の増加を認めるものをresponderと定義する。END pointは低Na、循環血液量減少性ショックとした。
心不全症状スコアは①下腿浮腫②肺水腫③頸静脈怒張④呼吸困難⑤NYHA分類でスコアをつけた。このスコアはTLV投与前の、投与後1週間で評価した。
<結果>ロジスティック解析が行われ、TLV反応性の独立した予知因子が2つ、有意差が認められた。1つはTLV投与前の尿浸透圧であり、352mOSM/L以上であること、もう一つは尿浸透圧の減少具合であり、特にTLV投与後の4−6時間での尿浸透圧減少率26%以上がTLV responderの予知因子となった。Non-responderの尿の希釈力やGFRは低い結果となった。